2006年07月31日

The 満身創痍

アマルフィイ デラ・セーラよりほんの4年くらい前までは、どちらかと聞かれれば迷わず“インドア派”だと豪語していた私ですが、先週土曜日から昨日にかけての私の行動を振り返ってみると、それは間違いなく“アウトドア派”に属していると言うほか無く、ではここ数年の間にいったいどのような変遷を経てそうなるに至ったのか、ということを朋友・ng氏が分析するに、どうやら温泉という要素が重要なキーになるだろう、とのこと。

確かに3年ほど前に彼と那須塩原の温泉に行った記憶はあるものの、それが現在の“アウトドア傾向”に繋がっているとは俄かには信じられないのですが、趣味といえば暗闇で映画を見るか、あるいは絵を描いたりギターを弾いたり酒を飲んだりすることくらいしか自分でも思い浮かばなかった私の趣味嗜好が、あの温泉以来、徐々に外へ外へと向かって行ったのだ、などとしたり顔で言われてしまうと、う〜むそうなのかもしれないな、と納得してしまう部分もあり、実際、最近の私は誰に誘われるまでもなく、梅雨明けはまだかとか、やれ海だサーフィンだ、と一人で騒ぎ立てているくらいなので、ここは一つng氏の分析を全面的に信じることにし、開き直った“アウトドア派”としてこの夏を謳歌しようと決めたところです。

さて、そうは言ってみたものの、こんな状態で残りの夏を充分に楽しめるのだろうか、と訝らずにはいられません。ここでいう“こんな状態”とはどんな状態か、ということについては若干の説明が必要でしょうから、簡単に説明します。

先週土曜日は、会社の先輩からあるお誘いを受けていました。「皆でフットサルをやろう」というそのお誘いを受けるべきか、当初は迷っていました。確かに私は、「キャプテン翼」の影響をもろに受けた形でサッカー部に所属し、“ボールは友達”とか言いながら日々サッカーに明け暮れていた小学校時代を送ってはいたものの、中学に入学しあっさりとテニス部に鞍替えして以降、サッカーとはほとんど無縁の学生時代を送ってきました。大学の授業でサッカーをやった“ような気がする”ことを除けば、かれこれ十年以上ボールを蹴る機会などなかった私に、いきなりフットサルをやれと言われても困ってしまうのも当然でしょう。しかしながら、先述したように、今の私には“アウトドア派”的傾向も色濃いし、その勢いでやってみちゃおうかな、などと楽天的に考え、シューズすら持っていないのに快諾したのでした。

当日、先輩からシューズを譲り受け、いざ準備運動という段階までは、案外自分もいけるんじゃあなかろうか、と故の無い妙な自信を抱いたりした私ですが、試合開始から5分でその自信はあまりにも無残に打ち壊され、同時に私の肉体の限界もはっきりと見えてしまいました。普段はジムにも行っているし、7分ハーフくらいどうってことないだろう、と思っていた自分の愚かさを恥じる余裕もないまま、私はたった5分でコートの脇に倒れていました。7分を終えて戻ってきた先輩は一言「全力投球しすぎ(笑)」と言い放ち、すぐにコートへと戻っていきましたが、確か私よりも3歳ほど年上の先輩の活躍を尻目に、一言も言葉を発することが出来ずにただただゼーゼー息を切らせるしか出来無かった私。おまけに、その5分間で転倒した際右手首を捻挫したらしく、手首は痛いわ息は出来ないわ気持ち悪いわで、近年これ以上酷い自己嫌悪に陥ることもそうなかっただろうと思われるほど。その後、30分くらい動けず、後半でやっと動きを掴みかけつつあったのですが、確か小学生の時、ゴール前でフリーでにもかかわらず点を決められず、仲間からブーイングの嵐を受けたことを思い出してしまうほどに、私の決定力不足が徐々に、しかしはっきりと露呈し始め、その上、先ほど痛めた右手首を再度、同じように強打してしまい、失意の内に私の初フットサルは終了しました。それでも結果的にはかなり楽しむことが出来たし、今後も月一回のペースで開催するからという言葉を聞き、次回はこんな状態にならないようにしようと前向きな感情も生まれてきたのですが、そのあたりから私の身体はかなりの悲鳴をあげ始め、帰宅後、右手首があまりの激痛で動かなくなってしまいました。まぁ二年前のように、酔っ払った挙げ句に手を骨折するという情けないこと山の如し、という事態に比べれば、一応は名誉の負傷というか、人に言うのも憚られる怪我というわけではないのでそれは良かったのですが、まだ夏をまるまる一ヶ月残した状態での怪我はやはり結構堪えます。

さて、そんな状態にもかかわらず昨日も性懲りも無く海へ。
朝起きた時は右手首だけでなく、全身を筋肉痛とは別種の鈍い痛みが襲い、歩くこともままならない状態でしたが、海には代えられまい、という私の中の潔い“アウトドア野郎”が主張した結果、とりあえず早朝の湘南へと。
予想に反してなかなかの晴天だった昨日の湘南、いつものように大量の酒と食料を買い込んで、恐らくは全員ゲイかニューハーフだろうという従業員が働く異空間のような海の家に陣取って、ビーチへと繰り出したわけですが、海というのは本当に不思議な“癒しの空間”だなと思ったのは、ビーチで酒を飲んでいる間だけは、手の痛みもほとんど感じなかったからです。しかも今回は、前回の失敗を念頭に置いて日焼け止めを用意していたため、かなりいい感じに日焼けすることも出来、気を良くした私は、帰りに七里ヶ浜にある気に入りのイタリアンまで足を運んでその日3本目のワインを軽く飲み干した次第。帰宅後はやはりというべきか、海と酒で治まっていた痛みがまた全身を襲いだし、這い蹲るようにベッドへと。今日までに返さなければならないヴィデオとdvdが2本あったので、無理やりそれを観ているうちに寝てしまいました。

というわけで、珍しく週末に一本の映画も観ずに、サッカーに海にと充実した2日間を過ごしましたが、その代償がどれほど大きいものになるのかは、午後に行く恐怖の整形外科(詳しくは“ヘア無修正版な朝”を参照のこと)ではっきりするでしょう。

追記:
医者に見せた結果、亀裂骨折でした。嗚呼……。今後1ヶ月はギブス生活になります。もちろん、海では外しますが。それにしても、何と脆い我が肉体よ……。

2006年07月31日 12:07 | 悲喜劇的日常
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Comments

>tamiさん

似たようなことを約3名に言われました。しかしご老体はないでしょう……
BQっていうのは、“ボインクエスト”か何か?
まさかBBQの間違いじゃないよね?

>Chocolateさま

いえいえ、そういう反応が無ければこんな文章書けませんから。最近はこういう文章だけを律儀に読んでいく友人も多く、何だかなぁという感じです。

>エノキさま

うほ!って…ヤマジュン風な反応どうもです。
それはそうと水着を買ったんですか? スバラスィ。こちらは昨年と同じ、ヤマジュン風水着です。新調したのであれば、行かない手はないでしょう! 何ならビーチドリンカー倶楽部に入会しますか? まだ部員は少ないですが。

>ガンバさま

キーパーもやったんですが、やはり根っからのストライカーなもので。まぁ点が取れない男をストライカーとは呼べませんが。
その店にはバローロが無かったような。銘柄は忘れてしまいましたが、値段はバローロより1000円くらい安かったです。
骨折してても、バローロだったらがぶ飲みしたいっす。


Posted by: [M] : 2006年08月01日 18:23

またやってしまいましたか・・・・・・。

ゴールキーパーぐらいにしておけば・・・・。

で、写真のワインはフォンタネフレッダ社のバローロ?

ごめんね。そっちのほうが気になったりして。


骨折中のアルコールはほどほどに。


Posted by: ガンバ : 2006年08月01日 11:54

うほ!素敵な写真♪
と思いきや亀裂骨折とは・・
だいじょぶでしょーか。

週末映画日記じゃない[M]さんの日記はめずらしいですね。
私もぽや〜んと海いきたいなぁ〜と思いイキオイで水着買っちゃいました☆
ほんとに行くのかぁ〜?(笑)ですけど。


Posted by: エノキ : 2006年07月31日 23:46

あら・・・Mさん亀裂骨折ですか・・・
お大事にして下さいね。^_^

でもMさんの日常に日記めちゃ面白いんですけど〜
笑いながら読んでしまいました。(笑)
なーんて、怪我されてる時にごめんなさいね。


Posted by: Chocolate : 2006年07月31日 21:36

亀裂骨折していたんですか。。。

大丈夫ですか? ご老体にムチを打つからです(失礼)。

怪我が治ったらBQやりましょうよ!


Posted by: tami : 2006年07月31日 17:35
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