2005年07月06日

ヘア解禁無修正版な朝

block.jpg出来れば昨日のうちに「映画短評<2005.6>」を書き上げてしまいたかったのですが、何とも情けない事情により、それが果たせませんでした。これから書く文章は、久々に映画とは全く関係の無いものです。しかし、それでも無理やり映画を引き合いに出してみるなら、今現在、私は『ジェリー』終盤におけるケイシー・アフレックのような速度でしか、歩くことが出来ません。肩を落として一歩一歩、生命を振り絞るように歩くケイシー・アフレックの後姿と、一体どれくらい歩いたのか、いや、ほとんど進んでいないのではなかろうかと思わせる程のろい速度は、ほとんど感動的というべきものでした。そして、それと全く同じような状態になってしまった私。以下に、昨晩から今朝にかけて起きた悲喜劇を書き記します。

2005年7月5日深夜。
目黒区内の歩道で自転車に乗っていた私の目の前に、突如地面が迫ってきました。次の瞬間、激しい衝撃が全身を襲い、数秒間、雨に撃たれたまま地面にベッタリと顔をつけていました。無意識に顔をかばったからか、右腕全体を満遍なくすりむき、そして何故か、右足が痛くて動きません。とりあえず人に見られなかったことに安堵し自転車を起こすも、ブレーキが車輪に食い込み前に押すこともままなりません。腕からは血が流れ、右足に激痛が走り、自転車は動かない……何故このような酷い仕打ちを受けねばならないのか。その時の私は、沸々とわいてくる怒りというよりも、もはや年に一度は確実にわが身を襲う“不幸”に対する恐怖を感じていました。

確かに、アルコールが全く入っていなかったわけではありません。しかしそれは、“飲んではいたが酔ってはいなかった”という程度のもの。飲んでいなかったとしても、まだ購入したばかりの自転車は、雨に濡れた黄色い点字ブロックにその前輪を取られていたでしょう。

さて、それでもどうにかして自宅にたどり着いた私、大体こういうときにまずチェックするのは、怪我の具合よりも、指輪とブレスレッドをちゃんと身に着けているか、ということです。まったく、現金な男ですが、長年愛用しているもので、しかも、指輪にいたっては、嘗て一度(酔って)紛失し同様のものを再度購入したと言う前歴があるので、なおさらなのです。
果たして、指輪はありました。ここで一息。しかし、ブレスレッドがありません。ここで軽い絶望。いてもたってもいられず、“現場”に戻ってみました。犯人が必ず戻ってくるという“現場”に。すると、ブレスレッドは朽ち果てたような状態で、確かに“そこ”に存在していました。が、留め具が見事に粉砕され、およそブレスレッドとは言いがたい、ただの鎖としてですが。
普通ならこの時点で叫びだすところです。嘗ての吉田栄作氏よろしく、「ウォーーーー」と。でも私にはもう、そんな気力すら残っておらず、とぼとぼと家路につくほかありませんでした。

明けて今朝、起きてみるとシーツには血痕が。加えて、足の激痛は増しています。ほとんど歩くのもまま成らない状態です。先述したように、全く『ジェリー』そのままなのです。いくら「日本ジェリー党」に属しているとはいえ、ちょっとやりすぎ感が強いなと反省。

そこで、出社前に行きつけの整形外科に行くことにしました。
その整形外科は、オリンピック選手やらプロスポーツ選手やら、体育会系の学生などが掛かるような、なかなか有名な整形外科なのです。確かに、私もこれまで何度と無く治療してもらってきましたし、そこのセンセイは非常に信頼に足る名医だと言えるでしょう。しかしながら、すでに高齢のそのセンセイは、診察時、とにかく容赦なく患部を弄り回すという特殊な手法をとられているのです。よって、初診時の待合室で私は、いつも不安と恐怖に駆られることになります。そして今朝もまったく多分に漏れず、いや、これまでの中で最高の痛みを与えてくれました。思わず、「ウgyィェーーーー」とか「イyーーーーッツッツッツ」などという声にならないうめき声を上げ、いい年してかなりの羞恥を感じざるをえませんでした。しかも、羞恥プレイはそれだけじゃなかったのです。

私の患部は右足の股関節近くだったのですが、25〜27歳と思しきナースが注目する目の前で、センセイはあろうことか、私のアンダーウェアを予告無しに(!)むんずと引き下げ、患者である以上それを阻止することも出来なかった私は、ナースにアンダーヘアを晒すほかなく、[M]と名乗ってはいますがどちらかというと“S”であるところの私にとって、それ以上の屈辱もまたなく、朝から、痛いわ恥ずかしいわ凹むわで、もうこんな文章を書いている場合じゃないのですが、まぁ、センセイは「骨は大丈夫みたいね」などと涼しい顔で言ってくれたし、痛み止めもくれたので、後2〜3日は“ジェリー歩き”から逃れられないでしょうが、この夏の空や海の青さをまるまる棒に振るような事態はなんとか避けられそうですので、全て水に流して忘れてしまうことにしようと思います。

皆様、雨に濡れた点字ブロックにはくれぐれもご注意を。

2005年07月06日 12:58 | 悲喜劇的日常
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Comments

>INT.様

ありがとうございます。
いやぁ、真性のMにはたまらないでしょうね。。。

治ったら自転車新調するとします。


Posted by: [M] : 2005年07月06日 15:11

雨の点字ブロックは正に地雷です……。
お大事にして下さいませ。

しかし凄い羞恥プレイで災難でしたねぇ(苦笑


Posted by: INT. : 2005年07月06日 13:44
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