May 09, 2008
超・必見備忘録 2008.5月編
先月もすっとばした上、今月はGWもありずいぶんと遅れてしまいましたが、5月の必見映画です。
何気に目白押しの5月。目標!1327店!!
『最高の人生の見つけ方』(渋谷シネパレス 5/10〜)
男の2人旅は最高っすよ、というわけで。
『アイム・ノット・ゼア』(シネマライズ 上映中)
期待半分、不安半分。
『靖国』(シネ・アミューズ イースト/ウエスト 上映中)
初日の混雑振りはすごかったです。映画とは関係ない人たちも含め。
『4ヶ月、3週と2日』(ユーロスペース 上映中)
パルムドールは観ておくことにしましょう。
『今夜、列車は走る』(ユーロスペース 上映中)
私にとっては久々の南米映画になります。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(アミューズCQN 上映中)
この前評判の高さは…観て確認すべし。
『ミスト』(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 5/10〜)
フランク・ダラボンなので、同じ怪物ものでも『クローバー・フィールド』とは違うはず。
『ブレス』(シネマート六本木 上映中)
キム・ギドクは義務・ギドク。
「CO2 in TOKYO」(シネマ・ロサ 5/19)
朋友・イカ監督と今非常に注目している石井裕也監督作品が上映されます。
「配給:ケイブルホーグ」(シネマヴェーラ渋谷 上映中)
すでに2本観ましたが、後はチャールズ・ロートンとフリッツ・ラング、そしてジョン・フォードにしぼって。
渡辺文樹監督待望の新作『ノモンハン』『天皇伝説』(!)も上映されるようですが、時間と場所を鑑みて今回は遠慮。光石研のデビュー短編『海流より遠く離れて』は、時間が合えば是非観たいです。
や、海流より遠く離れて
April 30, 2008
天国と地獄
またまた3週間ほど更新が滞ってしまいました。
前回、「またぼちぼちと更新しようかと思ってます」、などと涼しく言い放ったにもかかわらずこのありさま。こんな状態ではもはやブログとは言えません。
ただし私の場合、例えば2年間スポーツジムに行かないまま会費を払い続け、その後思い立ったようにまた通い始める、というようなことを平気でやらかしたりするほど気まぐれオレンジロードですから、何かをきっぱりとやめる、ということが出来ない性格のようです。いつまたアグレッシブな気持ちが復活するかもわからないので。だからこうして細々と続けていったほうがいいのでしょう。
さて、4月は平均以下の本数ではありましたが、ぽつりぽつりと新作を鑑賞しました。
意外な拾い物があったり、予想以上に酷い作品があったり、予想をはるかに超えた傑作があったり。まぁこう書いてみるといつもと変わらない感じです。いや、新作しか観ていないという意味では、実は結構レアなケースだったのかも。
先に書いたように、1本だけほとんど憤りの域に達しかかった作品がありました。
この映画には、オマージュや引用という形をとった慎ましさも、パロディという形をとった批評性もなく、野心も作家性も感じられませんでした。いや、そんな映画は世の中に掃いて捨てるほどあるのでしょうが、しかし、それを差し引いてもやはり、こんな映画がそれなりに客を集め、楽しまれるのだとすれば、それこそ“映画の死”という嘗て聞いたような言葉をふと漏らしたくなってしまいます。
観ている途中から、ここまで否定的な思いが込み上げてくる映画もそうありません。どれほど下らない物語でも、素人同然の稚拙な技術でも、難解で理解不能でも、このようには思わなかっただろうと、今は思います。
しかし、まだ私の中で、その理由をはっきりと書くことが出来ません。プロデューサーにも監督にも、もちろんその責任の一端はあるのでしょうが、何かもっと根本的な、そして構造的な部分にその理由がある気がしているのです。まぁどちらにせよ、今は私自身も明言出来ないので、ここではその映画の名前を出すことはしません(私の周りには、この手の映画を好んで劇場に足を運ぶような人は少ないでしょうが、そうではない人も読むのがブログですから)。
あるいは、私が同日に、今年のベスト級の傑作を観てしまったからなのか、と思わないでもありませんでしたが、そんな相対的な問題ではないはずで、その外国映画があまりにも素晴らしく、期待をはるかに超えた作品だったとしても、やはり関係ありません。一方が“映像”だとするなら、もう一方は“映画”だった、とでも言いましょうか。ほとんど無責任にそんなことを言いたくなるほど、この2本の作品は別物です。あらゆる意味で。
というわけで、傑作のほうは是非ご覧いただければと思います(といっても、公開からだいぶ時間が経っておりますので、観ている方も多いでしょう)。恵比寿では現在、2人のアンダーソン作品が公開されておりますが、私が言及したのは、アメリカ人のほうです。もう一方は未見なので、今はまだなんとも言えません。
April 02, 2008
ここ3週間の出来事
かなり久しぶりの更新になります。このブログで私の近況を確認している友人・知人は、いよいよ体でも壊したか?と思っていたかもしれませんが、私は相変わらず生きております。めっきり更新のペースが落ちてしまいましたが、仕事のほうが一段落し、若干余裕が出てきたので、またぼちぼちと更新しようかと思ってます。
更新していなかった約3週間の間にも、リヴェット特集や若松特集に通っていたので、3月はなんだかんだで16本の映画を観ました。やっと本来のペースになってきたか、という感じです。そのあたりも含め、この間に起こったいくつかの印象的な出来事を書いておきたいと思います。
■間近でビュル・オジェを見られたこと
私が参加したリヴェット特集はたった2本だけでしたが、その2本両方でビュル・オジェのトークがありました。彼女は『夜顔』そのままの雰囲気を漂わせ、フランス映画女優として、あるいはリヴェットのミューズとしての自負がそうさせるのか、独特なオーラを纏っているようでした。」
■『接吻』に絶句する
小池栄子の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい、ということを改めて認識しました。あれほど恐ろしい笑顔を、ここ数年観ただろうか…。
■朋友・こヴィさん主催の映画上映会に初参加する
すでに7回目を数えていたようですが、遅まきながら初参加。よく知る映画仲間の顔もありましたが、多くは初対面でした。観た作品ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーのデビュー作『愛は死より残酷』。結果的に、私にとってファスビンダー“発見”の貴重な機会になりました。ヌーヴェル・ヴァーグの面々をはじめ、恐らく浴びるように観てきたであろう映画からの、いや映画史からの影響が色濃く、まだ青い果実のようにみずみずしい作品。やはり、それが面白いか否かには回収されない作品というものがあるのです。2度続けて観て様々に語りましたが、そこでも映画仲間による新たな視点を齎され、得るものも多かったように思います。次回からも出来るだけ参加させていただきます。
■『鉛の墓標』と『裸の銃弾』を間違えて観る
ともに未見の作品だった上に、“○の××”という四文字からなる似た題名を持った作品だったからか、『裸の銃弾』だと思いこんで観た作品が、実は『鉛の墓標』でした。こんな間違いはこれまでにしたことがなかったのですが、まぁ結果的に両方観られたのでよしとします。大和屋竺脚本(クレジットは、出口出)の『裸の銃弾』(上映時の題名は『やわ肌無宿 男殺し女殺し』)は、若松特有の“政治”や“革命”という要素がなく、あくまで殺し屋の復讐譚に徹していました。撮影も音楽も素晴らしく、今回観た若松特集の中で一番好きな作品だったと言えます。この映画、爆音で観たらさぞかし面白いだろうなと思います。
■またまた2008年ベスト候補が!『団塊ボーイズ』を観る
監督のウォルト・ベッカーはカリフォルニア生まれの40歳。フィルモグラフィーを観ると、日本では『アンラッキー、ハッピー』という映画がdvdで発売されているのみでした(劇場未公開)。
予告編のみを頼りに観た『団塊ボーイズ』でしたが、これは『俺たちフィギュアスケーター』の荒唐無稽な馬鹿馬鹿しさに匹敵するほどで、ラストの絵に描いたような勧善懲悪の図式性もさることながら、随所にちりばめられた前時代的な、というよりはむしろ普遍的なギャグが素晴らしく、しかもキャストは無駄に豪華。こんなアメリカ映画(といっても、2007年の全米興行収入ベスト10に入っています)が東京でも一館だけでひっそりと公開されるしかないのは昨今の状況をみれば致し方ないにしても、やはり大勢の観客で爆笑しつつ観るのが相応しいはずだと思わせる映画でした。『俺たちフィギュアスケーター』に涙して笑った方、必見。
さて、今週土曜日は恒例の花見 in 代々木公園です。実はその日、今年最大の映画的事件と言っても過言ではない、『アウトワン』の上映があることに気づき、我ながら何たる失策!と頭を抱えましたが、12時間30分に耐えられるかどうか、実はかなり不安だったということもあり、とりあえず5日は見送ることにします。悔しいですが、確実に観るであろう何人かの映画仲間の感想を聞いて、あまりにヤバそうだったら、翌週の分割上映にかけつけるかもしれません。
March 10, 2008
広川太一郎さん、ありがとう
私にとってあなたは、クリント・イーストウッドやルパン三世の吹き替えで伝説となった山田康雄さん、そして幼少時代の私が、本人の声よりも本人らしいと信じて疑わなかったジャッキー・チェンの吹き替えである石丸博也さんとともに、決して忘れられない名優です。
何よりもテレヴィで放映される香港映画が楽しみで仕方がなかった私があなたを知ったのは、ゴールデン洋画劇場で放映された『キャノンボール』だったような気がします。今でこそ、この映画をまた別の視点で観ることが出来るのですが、当時はただ、ジャッキー・チェンが出ているということだけで夢中になれた。バート・レイノルズも、サミー・ディヴィスJr.も、ディーン・マーティンでさえ、まるで眼中にはなかった私ですが、しかし、ジャッキーと同じチームでコンビを組んでいたマイケル・ホイだけには、妙な親近感を覚えた記憶があります。そこに漂う、飄々として無責任でコミカルな声に、恐らくは魅了されたのでしょう。
いや、あるいはジャッキー・チェンの『ドラゴンロード』だったかもしれません。劇中のワンシーンに過ぎない(といってもかなりの力の入れようではありましたが)羽蹴の実況を、あなたの吹き替えが、一つの“作品”のレヴェルにまで高めていました。目の前で繰り広げられる羽蹴を実況していながらも、それをあえて別の次元から批評しているかのような、“構造的吹き替え”とでも言うべきユニークさ。
その後程なくして、やはりゴールデン洋画劇場で『Mr.Boo!』の何作目だったかを見て(『新Mr.Boo!鉄板焼』だったかもしれません)、その独特な言い回しとダジャレに心底参り、多大なる影響を受けましたが、今にして思えば、その魅力は先述したような、構造的批評性(「〜なんてね」などというノリ突っ込みは、自己批評的でもあったようにも思えます)にあったのではないか、などと思うのです。作品を内側から破壊するような、しかしそれが作品自体を更なる“面白さ”へと昇華させるような吹き替えを、私は他に知りません。まぁ最近は吹き替え作品自体を観なくなってしまったのですが…。
今だから言えることですが、私はあなたの吹き替え作品をヴィデオにとって、何度も何度もあの言い回しを真似したものです。映画を観て、その形態を心底コピーしたいと思わせたのは、後にも先にも、ジャッキー・チェンとあなたの吹き替えだけです。
最近、オヤジギャグが多い、などと言われるような年齢になってしまった私ですが、今後そのような指摘を受けたとしても、俺のルーツには広川太一郎がいるのだ!と、あくまで心の中で、誇りを持って叫び続けるとします。
小学生だった私を映画につなぎとめてくれた一人の名優として、最後にお礼を言わせてください。
本当にありがとうございました。
March 05, 2008
超・必見備忘録 2008.3月編
最近、映画を観ていても、心から楽しめていないような、そんな気がしていました。ただ、そんな気分を吹き飛ばそうと、それが義務であるかのように毎週何らかの映画に触れてはきたのですが。
男女の間に倦怠期があるように、映画と私との間にも、長年の付き合いの中で、ついに“曖昧な齟齬感”のようなものが認められた、ということでしょうか。
しかしながら、つい先日、久しぶりに『サイドウェイ』を再見しまして、やはり映画は素晴らしい、ということを本当に単純に、ほとんど啓示であるかように心から確信できたのです。どんなに忙しくとも、これからの私には、どうしたって映画が必要なのです。
今月も四苦八苦しながら、それでも映画を求めて東京を歩き回るでしょう。
『人のセックスを笑うな』(シネセゾン渋谷 上映中)
相変わらず混雑している模様ですが、そろそろ観にいかねば。
『団塊ボーイズ』(新宿バルト9 上映中)
まだ間に合うか……?
『ファーストフード・ネイション』(ユーロスペース 上映中)
同上。
『ジャンパー』(渋東シネタワー 3/7〜)
精力的に映画を撮り続けるダグ・リーマンに対しては、極力冷静な視線を投げかけたいと思います。
『ラスト、コーション』(ル・シネマ 上映中)
ル・シネマの観客に混じって観ることに抵抗がないではありませんが、観ておかないと。
『どこに行くの?』(ユーロスペース 上映中)
待ちに待っていたわけではないものの、無視は出来ません。
『接吻』(ユーロスペース 3/8〜)
女優・小池栄子が好きな私としては、かなり期待している一作。
『ダージリン急行』(恵比寿ガーデンシネマ 3/8〜)
問答無用で観たい、というか観る!
「若松孝二大レトロスペクティブ」(シネマヴェーラ渋谷 3/15〜)
『裸の銃弾』と『秘花』が観たい。もちろん、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』も観ます。
「韓国アートフィルム・ショーケース」(シアター・イメージフォーラム 3/8〜)
昨年は4本中3本観ましたが、今年は何本観られるでしょうか。
「匂う女 前田弘二監督特集」(アップリンクX 3/8〜)
過去作品を一挙上映!! すべてレイトです。
「ペドロ・コスタ監督特集2008」(アテネ・フランセ文化センター 3/20〜)
スケジュール的に3本の短編しか観られませんが。監督本人も来日予定。
「桃まつり presents 真夜中の宴」(ユーロスペース 3/29〜)
2年前の「1st Cut」で『犬を撃つ』を観ているので、『daughters』だけは観ておきたいところだが…。
「ジャック・リヴェット レトロスペクティヴ 秘密と法則の間で」(ユーロスペース/東京日仏学院 3/15〜4/27)
この事件の目撃者になるべく、取り急ぎ2枚のチケットを確保しましたが、真に歴史的な事件はやはり『アウトワン』の一挙上映ということになるのでしょうか。
「ドロップ・シネマ・パーティ2008」(Q-AXシネマ 3/22〜4/4)
高橋泉監督が講師を担当する、ENBUゼミナール「映像俳優【夜】コース」から生まれた短編目当て。
February 18, 2008
尻に火がついてから動き出す性格です
生活の中で、このブログに対する意識が日に日に薄れつつあるのですが、それは単に時間が足りないからというよりも、自分の中の“アウトプット欲求”みたいなものが、嘗てよりも低くなってきていることにその原因があるような、そんな気がしている今日この頃です。
時間がない割りに、何とか映画は観られているのですが、この最後の砦までも崩されてしまうと、そもそも脆い私の生活における文化的な基盤が華麗に瓦解してしまう危険性があるから。その危機意識だけは、かような状況でも常にキープしておかねばならないな、と。
さて、一応映画ブログの体裁をとっている当ブログなので、なるべくなら映画に関することだけを書いていきたいのに、どうもそういう気分になれません。というのも、最近は寝ても醒めてもウイニングイレブンのことばかり考えているんじゃなかろうか、と思われるほどに、ウイイレの選手育成に追われているからです。追われているというのは別に比喩ではなく、10月の大会に向けて、後7ヶ月強で1200試合以上こなしていかないと育成が間に合わないのです。余暇を映画と酒に費やしてきた私に、果たして毎日5〜6試合というノルマを消化出来るのか否か。いや、実際はなんとしても消化せねばならず、その上で技術的上達も課せられているのですから、そのプレッシャーたるや、並大抵ではありません。端的に言って、私はあまりにも安易に捉えていたということです。今になって、それがひしひしと感じられてきた次第です。
というわけで、2月ももう半分以上が経過し、映画のほうは9本ほど観ていますが、とりあえず現状のウイイレ地獄に一応の目処がつくまでは、映画に関する文章も書けそうにありません。取り急ぎ、最近観た映画で素晴らしかったのは、ジャン・ルノワール諸作品を筆頭に何本か挙げられます。そうかと思えば、正確には昨年公開された作品なのですが、早くも今年のワーストに位置づけるべき作品もあり、映画も相変わらずいろいろだな、と。
備忘録的に観た作品を書いておきます。
■国道20号線
映画における“リアル”という概念をどのように捉えるか、そんなことを考えました。なかなか凄い作品かもしれません。次回作が楽しみです。
■肉
あまりに簡潔なタイトルと、あまりに簡潔な内容だけれど、なぜだかエキサイティングな観察映画。
■ゲームの規則
傑作という以外にありません。
■フレンチカンカン
傑作。ラストのダンスシーンで全身が震えました。
■大いなる幻影
今回の上映は113分とありましたが、これは完全版ではなかったのでしょうか。だとするなら、いったいどのシーンがなかったのか。などと勘ぐる事も可能ですが、そんなことはもうどうでもいいや、と思わせる傑作。もちろん、ギャバンもいいけれど、ピエール・フレネーとシュトロハイムがからむシークエンスがなんとも素晴らしく、感動。ジャン・ルノワールに関して、やはり私には書くべき言葉など見つかりません。
■ウィッカーマン
あんまりといえばあんまりな作品。傑作でも何でもなかったけれど、妙な形で持ち上げられてしまった感がぬぐえない元祖『ウィッカーマン』は、このリメイクと比べれば相当立派な映画だったんじゃないか、と思われ…。
■ダイハード4.0
すでに観ていたので、特にありません。
■潜水服は蝶の夢を見る
かなりの力作であることは間違いないかと。画面の可能性を感じさせてくれました。さすがヤヌス・カミンスキーといったところ。
■素晴らしき放浪者
やっとスクリーンで観られた幸福が何にも勝るのですが、この単純さ、自由さに到達できるのは、やはりごく一部のシネアストだけなのかもしれない、などと思います。
追記:
そういえば、珍しく何本かのdvdを観たのでした。一応書いておきます。
■キサラギ
『運命じゃない人』を観た後では、特に新しさは感じられなかったのですが、香川照之は相変わらずいい。
■イタリア的、恋愛マニュアル
ひとえに、ジャスミン・トリンカ目当てで。彼女の美しさがいよいよ開花してきた感じがしました。好みの女優、暫定1位に決定。
■火事だよ!カワイコちゃん
ミロシュ・フォルマン監督、亡命前の喜劇。ドタバタ系です。個人的には好みでした。これがあって、『パパ、ずれてるゥ!』がない新橋TSUTAYAのセレクトに疑問。
February 05, 2008
Porto/'Non'/wank man off/ゴリラ女
■『わが幼少時代のポルト』(Porto da Minha Infância/2001年/フランス=ポルトガル/61分/マノエル・ド・オリヴェイラ)
ある廃墟のスチールにオリヴェイラのナレーションや女性の歌がボイスオーバーされる。その廃墟は、どうやら監督の生家だったらしい。なるほどオリヴェイラは、すでに変わりつつある故郷ポルトの記憶を、映画監督としての生命が尽きる前にフィルムに刻もうとしたのかもしれません。思い出のスケッチのような映画、とも言えそうです。
ただ、本作はただ自分のためだけのスケッチではなく、やはり映画なのだ、ということだけは強調しておきたいところ。その証拠に、オリヴェイラは、あくまで大胆に、自由に、幼少時代を“創造”しているのです。
何度か繰り返される女性の歌。挿入される古いフィルム。登場人物とナレーションの“時空を越えた”掛け合い。ほんの数シーン登場するレオノール・シルヴェイラの、残酷なまでの美しさ…。その全てが、この映画を、安易なノスタルジーから開放しているようでした。
■『ノン、あるいは支配の虚しい栄光』('Non', ou A Vã Glória de Mandar/1990年/ポルトガル=スペイン=フランス/110分/マノエル・ド・オリヴェイラ)
ある大木を捕らえた長い長いショットで始まる本作は、オリヴェイラ流の“歴史の授業”といった印象。私には、ポルトガルの支配の歴史に対する造詣などかけらもありませんし、また、興味もないと言い切ってしまえそうですが、にもかかわらず本作が私を魅了したのは、まず、前半トラックの荷台で会話する兵士たちの視線と語り方、そしてそれらを時に真正面から捉えようとするカメラの位置に感動したからです。イマジナリーラインはことごとく無視され、一体彼らが誰と会話しているのかすらわからなくなり、かと思うと、これは我々観客に向けられているのではないかと思わせる強固な視線から目を背けられなくなるといった按配で、呆気に取られるというほかないのです。語られる内容に興味が示せなくても、オリヴェイラという人はなんと自由に映画を撮るのかと思うと、やはり感動せずにはいられませんでした。
後半の劇的な展開もまた忘れられません。兵士たちが原住民の奇襲に合う瞬間の、あの大きな爆発と、銃から出る火花。負傷した原住民の、悲痛な、しかしあまりに場違いな叫び声。それは、ジャンルとしての戦争映画を模倣しているかのようでしたが、それらとは決定的に異なる何かがある。いや、何かが無かったのかもしれません。
オリヴェイラは、歴史上の合戦シーンを描くとき、何を参照したのでしょう。いくつか絵画的なショットが見られたのが印象的。ああいったシーンを“本気だ”と思わせてしまうあたりが、オリヴェイラの凄さなのだと思うのですが、上手く説明できません。
■『やわらかい手』(Irina Palm/2007年/イギリス=フランス=ベルギー=ドイツ=ルクセンブルグ/103分/サム・ガルバルスキ)
まったく乗れなかったわけではありませんが、特筆すべき点もまた見当たりません。ただ一つ、“wank off”という言い回しを覚えられたのは収穫。もちろん、行為そのものは見えないわけですが、ピンク映画的な構図(画面手前に排された小道具により局部を隠すこと)とリアルな音が、それを想像させるに充分だったとは思います。
■『ジャーマン+雨』(2006年/日本/71分/横浜聡子)
途中まで文章を書いて、とりあえずもう一回観ようかな、と「MovieWalker」をチェックしたら、今週いっぱいで終了のようで。
参ったなぁ、参った……監督は29歳かぁ………主演の野嵜好美は25歳…山下敦弘監督の『道』は観てないじゃん……ヤバいねこれは…あまりに堂々としている……トラウマを告白させるシーンの真正面……「先生〜」という子供の声…マンホールに飛び込む時の引きの絵……土手で熱唱される歌に漂うエモーション……‥‥‥・・・・・・・・・・・
まるで体をなしていませんが、今つぶやけるのはそんなところです。何かが完成しているとか、壊れているとかそういう類の映画ではないようにも‥。しかし、何だか決定的な何かが潜んでいそうな感じが‥。賞賛と嫉妬とが入り混じった複雑な気持ちです。
最後に、本作に惚れ込んで大阪からわざわざチケットをお送りいただいた朋友・イカ監督に、あらためて感謝の念を捧げたいと思います。ありがとうございました!
author : [M]


