2007年07月24日

大和屋とマストロヤンニの共通点

いや、そんなものがあるのかどうかはわかりませんけど。

それにしても一角座という劇場は都内屈指の劇場かと。
大和屋竺をあの劇場で観るという、その行為そのものに、何だか祝祭的な雰囲気が漂っている感じがしました。私が観た『裏切りの季節』、これはまた何とも言いがたい映画といいますか、私が言うところの“面白い/面白くないという概念すら超越した映画”なのですが、あんなに巨大なスクリーンで、あんなに生々しいクローズアップを何度も見続けると、そんな感想しか出てきません。
上野昴志・河内紀・荒戸源次郎の三氏によるトークショーでは、河内紀氏の話が興味深かったです。大和屋と一緒に映画を作っていたからこそ言い得たであろう言葉、だからかもしれません。
とりあえず8月に『愛欲の罠』を求めて再訪いたします。

『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』における収穫は、劇場で観たことのなかった『最後の晩餐』を数シーン観られたことと(『白人女に手をだすな』もほんの数シーン観られます)、マルコ・ベロッキオやトニーノ・デリ・コリら偉大な映画人のインタビューを観られたことに尽きる、と言ってしまうとあまり面白くなさそうな映画みたいですが、マストロヤンニが映画史に残した功績はやはり相当なものですし、だからこそ、もはや別人かと見紛ってしまうほどのクラウディア・カルディナーレやそこまでではないもののやはり年齢を隠せないアヌーク・エーメ(私は嘗てこの2人が好きだったので尚更)、そして、その体が非常に心配になってしまうほど肥大化し老け込んでしまったフィリップ・ノワレらが、このような映画に出演するのでしょうから、ル・シネマという、渋谷でも滅法年齢層の高い劇場ではありますが、嘗て一度でもマストロヤンニの表情や身振りに痺れたことがある方は、スクリーンでまだ若い彼から老齢に達した彼までを目に焼きつけられるこのチャンスを逃してはならないと思います。

大和屋とマストロヤンニの共通点と言えるかどうかわかりませんが、この2本を観た上で強いて挙げるなら、それは“自由”という言葉のような気がします。

2007年07月24日 20:26 | 映画雑記
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Comments

>ヴィ殿

彼が携帯を手にしたら、という妄想は、私もしました。
まさかあそこまで電話魔だったとは(笑
私は彼が「フゥーーーー!!!!!」と叫び声をあげるシーンが好きで、たまに真似してます。最上級の喜びの表現、みたいな感じで。


Posted by: [M] : 2007年08月03日 15:52

これを観て、マルチェロがなぜ世界中で愛されたのか少しわかった気がしました。いわゆるイタリア人(ラテン)気質とも微妙に違ったとこがあったのですね。「待ち(忍耐)がすべて」とは至言でした。電話魔の彼が携帯を手にしていいたらどうしてたでしょうね?(w)。&キアラは美しすぎます!!!!!


Posted by: こヴィ : 2007年08月02日 08:32
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