2007年06月04日

ジャン=クロード・ブリアリ、逝く

ジャン=クロード・ブリアリが30日、パリの自宅で亡くなったそうです。享年74歳。
最後に彼を観た作品は、もう随分前にヴィデオで観た『ランボー/地獄の季節』だったと思います。

ブリアリと言えば、やはり一連のヌーヴェル・ヴァーグ作品を思い出さないわけにはいきません。
50年代後半から60年代初頭にかけてが、彼の俳優人生で最も充実していた時期だったと思います。70年代に入ってからも、とりわけ『クレールの膝』の彼が忘れがたい。

嘗て、私の上司だった方が雑誌の取材でパリに行った際にブリアリと食事したという話を聞いて、まだ入社2年目くらいだった私はまるで自分のことのように感動し、その上司をほとんど尊敬の眼差しで見るようになったことを思い出します。

私にとっては、繰り返し観た『女は女である』の印象が最も強いのですが、イタリーではマストロヤンニ、フランスではブリアリという名優であり伊達男をともに失ってしまった映画界は、やはり寂しいですね。

2007年06月04日 12:16 | 映画雑記
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Comments

>INT.さま

パルコで『アンナ』、やってましたね。確か“渋谷系”的な流れでゲンズブールだとかあの辺の作品が立て続けに公開されてた時だったような。
私がブリアリを最初に知ったのは…恐らく18歳とかそれくらいだったと思いますが、その時はスクリーンにある姿が全てでした。俳優は映画の中では永遠に年をとりませんが、実際には結構な高齢だったんですよね。当たり前のことですが、こういう不幸があると、あらためてそれを思い知ります。

>yasushiさま

ヌーヴェルヴァーグのイメージとして、私などは“若さ”みたいなものを思い浮かべてしまいます。“みずみずしさ”とか“青春”とか。しかし実際、ゴダールもロメールもシャブロルも、70歳を超えているんですよね。
ブリアリは、長らく闘病の日々を送っていたらしいです。

>[R]君

久々っすね。連絡なかったので、忙しくしているとは思っていましたが。
そうそう『いとこ同志』もありました。あの“軽い”イメージ、確かに彼ならではのものでしょう。どこかで追悼上映でもされませんかね?


Posted by: [M] : 2007年06月06日 12:38

『女は女である』『クレールの膝』もそうですが、
僕はなんといっても『いとこ同志』のブリアリ!

あの役は代替不可能だと思います。
全身で役を生きている気がします。
見よ、あのインチキさ!

『いとこ同志』の彼が頭の中でグルグル…。
その姿と逝去がどうもひとつに繋がらない。
「映画俳優の死」は、我々にとって難しい問題だ。

ブリアリのプロポーション、
そこから繰り出される華麗なるステップが好き。
早速、ひとり追悼・回顧上映でもすることにしよう。


Posted by: [R] : 2007年06月05日 23:07

ご無沙汰しています。
Mさんの文章にて初めて知りました。少し前にBSにて『女は女である』を観ていたので、ちょっと急ではありました。

最近は役者としてはみかけませんでしたが、まだ70ちょっとですからね。まだまだ生の声を聞けたことを考えれば、寂しいですし、残念です。

ゴダール、クリントなどが撮り続けてくれる一方で、多くの方が亡くなられてもおかしくはない年齢ですからね。
死をもって多くのことを実感しているというのも、いろいろ感慨深いものがありますね。

この場を借りて、ご冥福を。


Posted by: yasushi : 2007年06月05日 08:53

うあ……本当ですかそれ……。
私が映画に興味を持ち始めた当初、シネクイントになる前の
渋谷パルコで『アンナ』を観に行きましたですよ。
ヌーヴェル・ヴァーグという言葉すら知りませんでしたが
鑑賞後に妙な印象が残ったのを覚えています。

色々な意味で時代を感じさせますねぇ……。


Posted by: INT. : 2007年06月05日 02:10
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