2007年03月19日

『断絶』dvd化を、オフィスのゴミ箱に捨てられたチラシで知る

今から12年前になりますが、1995年9月にシネヴィヴァン六本木でレイトショー上映された『断絶』という映画を観た時の不思議な感覚、とても言葉では言い表せそうにないけれど、その興奮だけは誰かに伝えたいという思いを、12年後の今、再び思い出そうとしています。どれほどの形容詞を連ねようともかまいませんが、ひとまず70年代アメリカ映画の傑作中の傑作と言うほかないモンテ・ヘルマン『断絶』の悲願のdvd化を誰も居ない会社のオフィスで知るなんて、いかにもこの神話的な映画に相応しく感動的ではありませんか!

映画好きにとって、これを買わないという選択肢はこの世の中に存在するでしょうか。
いや、百歩譲って購入にまで至らなくても、せめてこの傑作を観ていなければ、どれほど饒舌に言葉を費やそうとも、アメリカ映画を語ったことにはならないでしょう。

発売は2007年4月11日。今回はこれまでも「AMERICAN FILMS 60s-70s」と題したdvdシリーズを果敢に発売し続けてきたKING RECORDSに敬意を表して、宣伝に徹したいと思います。


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断絶『断絶』
発売日:2007年4月11日
原題:TWO-LANE BLACKTOP
初公開:1971年/アメリカ映画
出演:ジェームズ・テイラー、ウォーレン・オーツ、ローリー・バード、デニス・ウィルソン
本編102分+映像特典/片面2層/カラー/16:9LBスコープサイズ
音声:1.オリジナル英語(STEREO) 2.オリジナル英語(爆音5.1ch) 3.日本語(MONO) 4.音声解説英語(STEREO)
字幕:1.日本語 2.吹替用補助日本語 3.音声解説用日本語
【SPECIAL FEATURES】
★オリジナル予告編
★モンテ・ヘルマン監督&ゲイリー・カーツ(共同プロデューサー)による音声解説
★爆音5.1ch音声
★テレビ放送版日本語吹替音声

『断絶』コレクターズ・エディション(初回完全限定生産)
発売日:2007年4月11日
★専用デザインジャケット、しかも通常版デザインも含めたリバーシブル仕様!
★宣材物の縮刷復刻版封入!
★『断絶』に関するすべてを網羅! 後方満載の永久保存版仕様。84ページ・オリジナルブックレット!
 ・ジム・オルークによるモンテ・へルマン監督最新インタビュー
 ・1970年米国ローリングストーン誌に掲載された『断絶』撮影同行記
 ・1971年米国エスクァイア誌に掲載された脚本
 ・1995年ジェームズ・テイラー来日時インタビュー
 ・2006年仏国カイエ・デュ・シネマ誌に掲載された、“いま『断絶』を観る意味”
 ・大久保賢一氏による、モンテ・ヘルマン、ウォーレン・オーツ、サム・ペキンパー、ピーター・フォンダなどが移り住んだ、米国モンタナ州パラダイス・バレー解説
 ・hotwire石橋秀樹氏による詳細なクルマ解説
 ・『断絶』A to Z
 ・青山真治氏による解説   他

(kingRecords e-shopより転載)
明日は見捨てた!「イージー★ライダー」「バニシング・ポイント」の道に新たな閃光が走る!
1960年代後半-1970年代にかけて、ハリウッドメジャーの大作映画に対抗し、ハリウッドの反逆児たちが低予算で作り上げた自由で過激な反体制アメリカ映画=アメリカン・ニューシネマ。「俺たちに明日はない」「イージー★ライダー」「明日に向って撃て!」「ゴッドファーザー」など数々のエポックメイキングな作品が存在する中、ひときわ異彩 を放つのがモンテ・ヘルマン監督作「断絶」である。1969年の「イージー★ライダー」の大ヒット以降、従来の大作映画の不振により苦境に立たされていたメジャースタジオは若者向けの企画に触手を伸ばすようになる。その状況下、ユニバーサル映画内で斬新な企画を手掛けていたプロデューサー、ネッド・タネンが仕掛けたのがピーター・フォンダの「さすらいのカウボーイ」であり、デニス・ホッパーの「ラストムービー」であり、そしてモンテ・ヘルマンの「断絶」である。人気ロックミュージシャンを起用し、若者が大陸横断レースを繰り広げるという内容、エスクァイア誌大絶賛のもと表紙を飾るなど、それらユニバーサル作品の中でも最も"売れる"要素を持つ作品として大きな期待を背負い、若者市場へ参入する切り札としてその年のどのユニバーサル作品よりも多くの劇場ブッキングが予定されていた。しかし当時のユニバーサルの重役であったルー・ワッサーマンは、これらの新しい勢力の台頭を極端に嫌っており、すべての企画を抹殺しようとしていた。そして完成試写 を観たワッサーマンは凄まじい嫌悪感を示し、結果的にスタジオ側の協力を得られなくなってしまった。実際完成した作品は、もともと持ち合わせていた商業的要素をあえて無視するかのようにエンタテインメント性を完璧に拒否した、脱力感あふれる淡々としたものだった。そして案の定、興行的に大惨敗を喫し、以後呪われた映画としての烙印を押されてしまうのである。ある者は言った『「イージー★ライダー」で勝ち得た自由は、「断絶」によって失われた。「断絶」は70年代の始まりであり、終わりでもある。』。
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ともあれ、久々に胸躍るニュースでした。
このチラシを貰って来てわけもわからずに捨ててしまった同僚に感謝。

2007年03月19日 09:44 | 映画雑記
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Comments

>nosさん&匿名さん

情報ありがとうございました。
やはり、ちゃんとヘルマンコミュもチェックしないとダメですね。何とか発売前ギリギリで間に合った感じです。
しかしこの爆音上映はかなり期待出来ますね。

キングレコードは、5月にもドン・シーゲル関係4本が発売予定みたいです。素晴らしい!!!


Posted by: [M] : 2007年03月19日 13:04

mixiのヘルマンコミュでは昨年末から話題になってました。私も既に予約済みです。
爆音上映の噂もありますね。


Posted by: バーチー : 2007年03月19日 12:35

断絶、昨年予約しましたよ!
キングはサークのBOXも楽しみですね。


Posted by: nos : 2007年03月19日 12:02
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