2006年12月18日
借金しても映画
財布をなくしても、その時しか観られない映画には金を借りてでも観に行くと言うのが私の信条なので、先週はいつもどおり4本の映画を鑑賞。土曜日には日仏学院にてジャック・ドワイヨンの『泣く女』、そしてフィリップ・ガレルの『処女の寝台』と『救助の接吻』。日曜日には渋谷ピカデリーにて『硫黄島からの手紙』を。
日仏学院で観た3本は、いずれも日本語字幕なし(『救助の接吻』のみ英語字幕あり)という状態でしたが、貴重なフィルムであればそれも止む無し。いや、それどころか、とりわけ『泣く女』などは、台詞の大半を理解できなかったにもかかわらず、それを傑作と呼ぶことにいかなるためらいも無い作品で、ガレルの2本にしても、改めて劇場でガレルを観ることの“快感と苦痛”を感じることが出来たという意味ではやはり大変稀有な体験でもあり、土曜日をまるまる潰すだけの価値は充分にあったと確信しています。
『硫黄島からの手紙』は、“本当に良く出来た日本映画”だと錯覚させるもので、しかし画面にはイーストウッド&トム・スターンによる深い闇が幾度も出てくるし、ほとんど涙しそうになるほどの馬のエピソードもあったりして、やはりこれはアメリカ映画なんだとも思わせるのですが、とにかくあっという間に終ってしまった印象です。作品としての印象は、とても連続して撮ったとは思えないほどに、『父親たちの星条旗』とは異なるものでしたが、どちらが良いとか悪いとかではなく、この2本によって、あらためてイーストウッドの凄さを思い知ればそれでいいのだという風に、今は思っています。
一言加えておけば、『硫黄島からの手紙』で最も輝いていたのはバロン西を演じる伊原剛志でした。もちろん、渡辺謙だって二宮和也だって悪くはなかったのですが、本作において2度ほど泣かせられた場面は、ともに伊原剛志と馬とが画面に治まっているシーンだったということが私にとっては重要でした。もしかすると彼も、今度ハリウッドに起用されるようになるかもしれません。
さて、今年もあと2週間となりましたが、個人的に抱えてることが多く、なかなか文章をかけそうにありません。その代わりにといってはアレですが、今年は、年間ベスト&ワーストというのを選んでみようかと思います。昨年、何人かの方からも控えめにリクエストされていたこともありますし、今年は多くのいい映画に出合ったということもありますが、ここ一つ、私なりのルールに則った形で、ベスト&ワーストを選出できればと。もちろん、それまでにも余裕があれば、たまっているレビューを書いていきたいと思います。
今週は『カジノ・ロワイヤル』とか『イカとクジラ』とか『ありがとう』とかそのあたりを観たいですね。
2006年12月18日 12:30 | 映画雑記
>chocolateさん
毎度ありがとうございます。
dvdも随分ストックされてきました。
これまでヴィデオやdvdをストックするという行為には無縁できたが、こういう形で入手できるとなると、生来の貧乏根性が働いてしまうんですね。
今後もよろしくです。
最近なかなか自宅でも観られない日々が続いていますが、休みに入ったら映画漬けにしたいです。
Posted by: [M] : 2006年12月21日 16:32
こんにちわっ。
借金してでも映画なんてMさんらしいですね。
私は今は浦島太郎状態でいったいどんな映画が上映されてるかもわかりません。
とりあえず今更ですけど「星条旗」見に行こうかなーって思ってます。(笑)
年末年始休みを有効に使ってたくさん映画を見るぞ〜〜
録画、順調です。^_^
1月分も遠慮なくどうぞ。^_^
Posted by: chocolate : 2006年12月19日 09:35