2006年10月17日

ミンリャンとブレッソン

先週はイメージフォーラムにて『西瓜』を鑑賞しました。
客入りはそれほどでもなかったのですが、最終回はツァイ・ミンリャンの幻の短編『歩道橋』の上映があったらしく、帰る時にはかなりの人が受け付け前に溢れていました。あの場にいた人たちは、かなりのツァイ・ミンリャンファンだったのかもしれません。

『西瓜』の細かい感想は別の機会に譲るとしても印象は確かに『楽日』のそれとは異なり、しかしトリュフォーの映画にジャン・ピエール・レオーが出ていればそれは紛れも無くトリュフォー映画だったように、リー・カンションが出ていれば、やっぱりツァイ・ミンリャン作品だと思えてしまうのも確かで、つまり、彼の独特としか言いようの無い存在感は、もはやジャン・ピエール・レオーの域に達しているのかも、などと思ったり思わなかったり。
実際、彼らは全くもって似ていないんですけど。

最近、復刊された「シネマトグラフ覚書−映画監督のノート−」を読了したんですが、これはかなり面白いというか示唆に富んだ書籍でした。もうわかりやす過ぎるくらい平易な言葉で綴られた文章なんですが、ロベール・ブレッソンという映画作家が映画をどのように捉えていたのかの一端を理解できた気がしますし、何より、最近意識して観ているツァイ・ミンリャン作品との符号性が随所に垣間見られ、その意味でかなりタイムリーだったので。まぁ何の根拠も無いこの考えは、ほとんど妄想の域に達しているかもしれませんが、それを無視しても、この書籍は名著と言えるでしょう。
機会があれば、気になった(いった)箇所をこのブログにも書き写してご紹介したいと思います。

2006年10月17日 17:30 | 映画雑記
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Comments

>かおるさん

今回のミュージカル場面は、『Hole』に通ずるものがありました。私としては、あの銅像を使ったミュージカル(2曲目?)がかなり刺さりました!


Posted by: [M] : 2006年10月19日 11:37

「西瓜」ご覧になりましたね!!
あの長回しには一瞬吸い込まれそうになりましたが、突然気がふれたように現れるミュージカルで寝ることはできませんでした。
「ああ、こんなにも純愛(プラトニック)」というキャッチコピーがピッタリの映画でしたね。


Posted by: かおる : 2006年10月19日 10:54

>chocolateさん

先週日曜日に。
男と女の愛を描いているのは間違いないと思いますが、あんなミュージカルシーンを合間に入れてきたり、とにかく彼の技巧的側面が本作では遺憾なく発揮されていたように思います。
ラストシーンにも圧倒されました。


Posted by: [M] : 2006年10月18日 11:52

こんにちわっ。

「西瓜」ご覧になったんですねー。
リー・カンションってツァイ・ミンリャンファン作品には
なくてはならない俳優なのかもしれないですねー。

レビュー、楽しみにしてます。♪


Posted by: chocolate : 2006年10月18日 10:45
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