2006年09月05日

どう見ても激ワルオヤジに感動

先週末はTSUTAYAでヴィデオを4本借りていたのでそれを観るのに必死で、結局劇場鑑賞は1本のみでした。借りてきた作品はいずれも旧作。前に借りたのに観ないで返してしまったものだとか、その名前のみ聞いてはいたけれど長らく手に取ることがなかったものとか、やはりもう一度観ておきたいものだとかそういった類の、主にアメリカ映画を中心に。

いずれも面白かったのですが、特に劇場で観なかったことを後悔したのが、『ゴースト・オブ・マーズ』。渋谷ではシネマ・ソサエティ(現 シネマ・アンジェリカ)のみで公開されたらしいのですが、まさに劇場で観るべきアメリカ映画の傑作でした。その他、ペキンパーの遺作やらマンキウィッツの遺作だとかフランケンハイマーの最も輝いていた時の秀作だとか、まぁそんな感じで。何とか全て観る事ができましたが、やはり、一介のサラリーマンにとって、しかも怠惰な私にとって、週に4本のヴィデオを観るのは、それがほとんど“消化”になってしまいがちであるという点で厳しく、週末は“絶対に”劇場に足を運ばねばならないことを考えると、2本くらいが適当かな、などと結論した次第。

劇場で観たのは盛んにテレヴィcmが流れている、どう贔屓目に見ても刑事には見えないワルそうな男2人が麻薬マフィアに潜入する映画ですが、今、男が銃を構える姿をを最も魅力的に描く監督の一人であるマイケル・マンは、本作においてもやはり、あの銃の構え方を見せてくれるので嬉しくなり、それに加えて本作では、銃(あるいは対戦車ライフルみたいなもの)をぶっ放す瞬間の爆音とそれが対象(人だったり車だったり)にヒットする際の衝撃が凄まじく、なかなか魅せてくれました。あまり期待はしていませんでしたが、予想以上の出来栄え。安っぽいcmに辟易せず、是非劇場に足を運んでいただきたい作品です。日曜の午後一にしては渋谷でも大きな劇場に属する某劇場は4/1程度しか埋まっておらず、なんとも寂しい限りでしたので。今どきの女性は、ああいうワルが嫌いではないのでしょうから、女性にこそ観ていただきたいと思います。

今週もTSUTAYAが半額なのですが、いろいろ忙しいこともあって一本も借りていないので、せめて何本かのレビューをサクっと更新していきます。

(追記)
そういえば書き忘れてました。恐らくそのタイトルに“シネマ”という言葉が使われているという理由で朋友・こヴィ氏がプレゼントしてくれた梁石日の「シネマ・シネマ・シネマ」を先日読了しました。限りなく事実に基づいていると思しきこの小説、“映画作りとは”という問いにある程度は答えを出すものでしたが、それよりも随分と前に、黒沢清氏がより端的にそれを指摘していたのを思い出してしまいました。

曰く、「愚鈍で憂鬱で反動的で、尚且つまったくもって楽天的な徒労こそ映画作りである」。

だから何だ、というわけではないのですが。
こヴィさん、ありがとうございました。実はまだ借りているロメール数本を観終えていません。何とか今週中に観られれば、とは思っています。いつもすみません。

2006年09月05日 08:45 | 悲喜劇的日常
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Comments

>ヴィ殿

「インサイドマン」は劇場で観られなかったので必ず観ます。ロメールですが、何故でしょう、ゆっくり時間がある時に一人でゆっくり観たいんですよね。とはいえ、なるはやで観てお返しします。
本のほうも、それなりには楽しめましたよ。読みやすかったですしね。ただ、後半の911の件はやや凡庸な感じがしました。

そうそう、「LOFT」も入れ忘れてました。今週はキム・ギドクもあるし、ああ、大変だ…


Posted by: [M] : 2006年09月07日 09:55

どうもー。あれ評判イイみたいすね。
そいえば「インサイドマン」がもうすぐDVDになるはずなので見てくださいね。「ダックシーズン」は結局私も行けませんでした。まだどこかでやりそうですけど。ロメールは、ま急がずに。夏が終わってしまったので、「秋」には間に合わせたいですが(笑)。本はイマイチだったでしょ?(ってあげるな・笑)。とうとう今週末に「LOFT」公開ですね。


Posted by: こヴィ : 2006年09月06日 02:13
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