2006年09月28日

映画短評 2006年8月編

■『スーパーマン リターンズ
SUPERMAN RETURNS/2006年/アメリカ/154分/ブライアン・シンガー
そもそも『スーパーマン』自体にさしたる思い入れのない私、映画版を何本か観た記憶があるものの、その物語、というか見せ場も含めてほとんど記憶になかったのですが、“あの”ブライアン・シンガーが、まず成功は約束されたであろう『X-MEN:ファイナルディシジョン』より本作を選んだと言うことで、彼自信のスーパーマンに対する思い入れは、どうやら並ならぬものだったようです。
しかし、ブライアン・シンガーは何故アメコミ原作ばかりを撮るようになってしまったのでしょう。今思えば、『パブリック・アクセス』などはなかなか楽しめ、『ユージュアル・サスペクツ』や『ゴールデンボーイ』はあまりいただけませんでした。しかし『X-メン』も『X-MEN2』も悪くなかったように思うのです。つまりこの2本で、もはや一つのジャンルと言っていい“アメコミ映画”に目覚めたということなのか。
まぁさしあたりそれはどうでもいいとして、『スーパーマン リターンズ』ですが、ほとんど知識ゼロの状態でもそれなりには楽しめました。ケヴィン・スペイシー演じるレックス・ルーサーの部下に、スーパーマンがボコボコにリンチされたりしていましたが、あの辺りの心無さは『X-MEN2』でも遺憾なく発揮されていたものであり、結構いい線いっていたんじゃないか、と思います。
でもまぁやはり長かった気もします。もっともっとスーパーマンの“超人性”を画面で見せて欲しかったような気も。もともとこのジャンルに全く思い入れのない私とはいえ、アメリカ製のアクション映画はやっぱり大好きなんです。だからこそ…という心残りがないではありません。

■『青春☆金属バッド
2006年/日本/96分/熊切和嘉
たとえ前作にあまり乗れなかったとしても、その作品を観てしまう監督がいます。それは恐らく、その監督の潜在的な何かを信じていたりだとか、世代的な親近感を感じていたりだとか、あるいはまさにデビューの現場に立ち会っただとか、様々な理由によるのでしょうが、私にとっての熊切監督もそのような監督であると言えます。
私の場合、1997年のユーロスペースで『鬼畜大宴会』を観たときに監督を間近で観てからというもの、この自分と同じ年の監督にただならぬ才能を感じていました。こんな映画を自分と同じ年の人間が撮ってしまったことに動揺したというわけです。
しかし『鬼畜大宴会』以降、傑作と呼べる作品は一つもありませんでした。嫌いではないが、そんなに良いとも言えない、それでも出来る限り彼の新作を追うと決めたのですが、本作もまた、似たような印象ではあります。しかしもはや、彼に突出した何かを求める時期ではないのかもしれません。あまりに下らない日本映画は沢山あるのでしょうし、その中で熊切監督の作品には必ず評価できる点があるので、それで満足だと態度を改めなければいけないのかも。
やはり予備知識はほとんどゼロだったので、若松孝ニの登場には普通に驚きました。

■『ハード キャンディ
HARD CANDY/2005年/アメリカ/103分/デヴィッド・スレイド
本作を観ようと思ったのは、“女(本作では少女)が男を襲う”という映画を久々に観たかったからです。腕力では普通男性に叶わないはずの女性が、映画では時に、男性をいたぶったり屈服させたりします。その過程、あるいはその方法が大いに気になったことと、やはり、いったいどんな女性がそのような立場足りえるのかを観たかったのです。
本作の画面はかなり独特でした。シネマスコープにもかかわらず、その多くがクローズアップで、それがまた異様な緊張感を生み出していたような。物語の多くは屋内で展開していくので、引きの絵がほとんどないのですが、では何故シネマスコープという画面サイズを選んだのか、なるほどそういう効果を狙ったのか、などと一人で納得。
主演のエレン・ペイジは当時18歳。14歳の役も無理なく演じていました。前半で子供っぽい表情を見せつつ、後半では冷酷な復讐者に変貌するという難しい役どころではありますが、長編デビュー作にしてはかなり健闘していたと思います。とりわけ、本作最大の見所である去勢シーンにおける複雑な表情は見事だと言えるでしょう。
途中形勢逆転がありつつも、結局最後は女が勝つ。『恐怖のメロディ』のように、女性が落ちていくのではなく、男性が“自ら”死なざるを得ないあたりが興味深く、結局誰が良いのか悪いのか、ほとんど判然としないまま、勝ち誇った表情のエレン・ペイジが歩いていくというラストショットも悪くなかったです。そこには、陰惨でありつつも奇妙に晴れ晴れとした雰囲気が漂い、この映画を締めくくるに相応しいショットだったのでしょう。
エレン・ペイジは『X-MEN:ファイナル ディシジョン』にも出演しているらしいので、是非観ておきたいと思います。今後、こんな役のオファーばかりが来ないことを願うばかりです。

2006年09月28日 13:26 | 映画雑記
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Comments

しかし[M]さんあいかわらず観てますねー! 私観たいの半分も観れてません。。。次回情報交換願います。


Posted by: こヴィ : 2006年09月30日 04:10

>ヴィ殿

あ! 修正しました...


Posted by: [M] : 2006年09月29日 17:00

(若松孝“二”ですよ!)


Posted by: こヴィ : 2006年09月29日 16:12
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