2006年08月22日

黒い三人の男

先週は久々に“青”に同化。といってもいつもどおり、湘南の海は灰色だったわけですが、空は青く、この夏体験した中で最も強い日差しに恵まれ、それなりに黒かった私の身体はさらに黒く焼け、このまま渋谷のセンター街でも歩けば、それこそ“センター害”に勘違いされてしまいそうな感じも。服装が異なるのがせめてもの救いでしょうか。

そろそろ夏も終ってしまうし、酒ばかり飲んでないでたまにはビーチを満喫しようじゃあないか、と思ったかどうかは定かではありませんが、今回はトム・クルーズ好きな朋友・ng氏とフリスビーに興じたりも。たしか昨年も大洗のビーチで同じようなことをした記憶があるのですが、あの時は他にも数人いたし、ビーチもそれほど混んではいなかったからよかったものの、今回はかなり混雑した湘南のビーチで、明らかに30overの黒い男二人が、白や黄色やレインボーストライプのビキニに包まれたギャルたちが無邪気に水遊びする様を、結果的に邪魔するようなかたちでフリスビーを投げ合っているという光景はいかがなものかと、やはり自問自答は避けられませんでしたが、そろそろ治癒しつつある右手首のリハビリを兼ねたフリスビーは思いのほか悪くなく、だんだんと調子に乗ってきた私は、すでに酒が入っているのをいいことに、目の前を通り過ぎようとするギャルの頭すれすれを狙って投げるという、ほとんど悪乗りティーンエイジャーのような奇行に走ってしまい、相手のng氏を苦笑させてしまいました。
そんな光景を、もう一人の朋友・nw氏は黙って見ながらやはり苦笑しているのかと思いきや、彼は完全に爆睡していたらしいのですが、それどころか、我々よりもさらに“危ない”見ず知らずの男から、「クスリはないかなぁ…」などと詰め寄られていた模様。nw氏は、どう穿って見てもジャンキーには見えないのですが、本物のジャンキーから見れば、あるいは仲間だと思われたのかも。フリスビーを終えて私とng氏が戻ってきた時には、クスリにありつけなかったその男が、我々のテリトリーに上半身を侵入させてふて寝していました。その光景はあまりに異常で、ジャンキーに理屈は通用しないと判断した我々三人は、もうそろそろいい時間だからなどといい訳しつつ、そそくさとその場を後にしたのでした。

その後、もはや定番と化したイベントのように、生しらすを求めてビーチ近くの食堂に。
いつもとは別の場所に行ってみようということで前知識無しで入ったその食堂というかレストランは、江ノ島ビュータワーの5Fにある、およそレストランらしからぬ「おしゃれ工房 遊」という名前でした。客は我々のほかに一人もいませんでしたが、ビーチを見下ろせる絶好のロケーションで飲むビールはまったく悪くなく、ついつい長居をしてしまうほど。店内には何故か大きな熊のロボットが演奏しているグランドピアノがあったり、クリスマスツリーがあったりと、極めて季節感を欠いた超現実的な空間ではありましたが、つまみも美味しいし値段も高くなく、思いのほかかなり満足した我々は、来年からはここだな、と深く頷きあった次第。

今年は梅雨が長引いたり台風が接近したりで、正確に二回分の“青”を逃していますが、そうこうしているうちに、夏も終わりに近づいています。せめて後一回は海に、と目論んでいますが、どうなることやら…。ちなみに今、私の右腕はかなりの筋肉痛に悲鳴を上げています。まさかフリスビーくらいで!? 

鬼束ちひろの「infection」という曲に“いつの間に私はこんなに弱くなったのだろう”という一節がありますが、私の心境もまさにそれと同様。この右腕のリハビリを兼ねて、今週か来週、今年最後の海に行ければもうこの夏に思い残すことはありません。

ちなみに先週観た映画は『ジョルジュ・バタイユ ママン』のみ。本作には最後まで疑問を拭うことが出来ず、私にとってはあまり面白くない映画でした。平日のレイトだったからか客の入りも悪かったです。結構期待していただけに、失望も大きかったのかもしれません。この1本で判断することなど出来ないのを承知で、バタイユの映画化はやっぱり不可能なのかもしれない、などと思わざるを得ませんでした。
現在は『ゆれる』の文章を書いてます。

2006年08月22日 12:00 | 悲喜劇的日常
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Comments

>Chocolateさん

毎度どうもです。
私の日記は、特にいやらしい描写や写真があるわけでもないので、仕事中に読むにはうってつけかと。
今週末、最後の青を堪能してくる予定です!

>[R]殿

ああ、そういう引っかけ問題でしたか…せっかちな私は、引っかけ問題が大の苦手でして、それでこれまで何度墓穴を掘ったことか。
まぁとは言っても、夏は悪乗りするくらいがちょうどいい季節ですからね……

ぶっちゃけビールよりビキニですよ! と、ここではあえて開き直らせていただきます。


Posted by: [M] : 2006年08月24日 10:17

[M]氏ったら、まったく…

頭文字が「ビ」っていったら、当然「ビール」のことですよ!
砂浜で飲むビール程、おいしくて欠かせないものはないですからね。

やっぱり発想が、悪乗りティーンエイジャーなんだから…
「兄貴! アッシどこまでも付いていきやっす」


Posted by: [R] : 2006年08月23日 14:44

こんにちわっ。

まためちゃおもろい日記を書きましたね!(爆)
仕事中にMさんの日記は面白すぎて読めないので、
昼休みに読みました。

今週末もお天気いいみたいだから、
今年最後の青を堪能できるといいですねー。(*^_^*)


Posted by: Chocolate : 2006年08月23日 13:14

>[R]殿

テンポがいいというのは、多分、何も考えてないからですかね。仰るとおり、走り書きならでは、といったところでしょうか。

今年は行けませんか、海に。
「ビ」のものは、先週、大いに満喫し、まるで映画を観るように目に焼付けました。って、これじゃぁただの……


Posted by: [M] : 2006年08月23日 11:47

リハビリを兼ねたフリスビー(笑)

とても詩的ですね…響きがいい! 意味的にも素敵!

「悪乗りティーンエイジャー」も捨て難いなぁ。

“青”に染まった後の[M]氏の走り書きは、いつもテンポ抜群ですね。
最終的には、“黒”に染まってる所が抜け目ないなぁと思います。

なんだか今年も、「青」を逃しそうです。
砂浜に欠かせない頭文字が「ビ」のものも…。


Posted by: [R] : 2006年08月22日 19:33
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