2006年01月13日

映画はやっぱり劇場で!(涙)

『THE有頂天ホテル』予定より一日遅れで書き上げた『ある子供』評、久々に随分と長い文章になってしまいましたが、それだけ本作には言及したくなる箇所が多かったということです。いくつかのブログを読んだ限りでは、あのラストシーンに納得がいかないという意見もチラホラ。自分の意見が同時代的な観客と同じである必要性などまるで感じない私にとって、まぁ感じ方は人それぞれ、という程度の感想しか持ちません。映画の多面性とでもいいましょうか、様々な感性が様々に反応するから面白いということでしょう。

さて、実は先日、友人の誘いで急遽試写会に行ってきました。試写会に行くのはかれこれ5年ぶりくらいでしょうか、もうその時何を観たのかなど忘れてしまうくらい昔です。仕事柄、試写状を譲ってもらうことも多いのですが、まず日程的・時間的な問題があり、さらにはあの雰囲気が好きではないという問題もありで、ほとんど興味を示さなかったのです。観たい映画は封切りの初日にでも駆けつければいいのですから。
では何故今回行くことにしたのかといえば、その映画はもともと観てもいいかなと思ってはいたのですが、今月の土日は、その他に観なければならない映画が多くあるし、ちょっと観るのは難しそうだなと。いかにも消極的な姿勢だったのですが、タイミングよく平日の試写会(まぁ普通試写会は平日ですが)に誘われたので、平日でしかもロハであれば若干の譲歩をしないこともなく、あっさりと積極的な姿勢にシフトしたという、私自身の何ともさもしい態度によるものなのです。

ところで私は、三谷幸喜氏のことはほとんど何も知りません。何せ、舞台演出家としての彼を全く知らないのですから。テレヴィ脚本家としてであれば、『やっぱり猫が好き』などはリアルタイムで観ていたし、特に強い思い入れは無いものの『古畑任三郎』は全部観ているので、まぁ、なかなか面白い男だなとは思える程度には知っていましたが。では映画監督としての彼はというと、これまたよく知りません。というのも、劇場では一度も観ていないのです。かろうじて『みんなのいえ』はヴィデオで観ましたけど。
そもそも、映画を観る前に原作を読むことなどしないし、その作家なり脚本家なりを知っていなければいけない理由もないと思っているのですが、三谷氏の場合、あまりに露出が多いし、ほとんどは戦略的なギャグの域でしょうが、タレント的側面も兼ねそろえた人物なので、妙に知った気になってしまっていたのかもしれません。そのような先入観があったからこそ、私は彼の映画を観にいくことがなかったし、それはつまり、テレヴィドラマとしての『古畑任三郎』を前にした時と、映画作品を観る際の感性は全く異なるということを、あくまで個人的な経験として知っているということなのです。

ここで『THE有頂天ホテル』へと話を進めようかとも思いましたが、明日からとはいえ一応まだ公開前ですし、楽しみにしている方の興を削いでしまいかねないので詳述は避けることにします。私がこの映画を面白がったのかどうか、それについても書かずにおきましょう。興味のある方は劇場に足を運んでみてください。

最後に一言。うすうす気づいてはいましたが、およそ一般向け試写会というものは、映画を観るのに適した環境ではありませんでした。いったいどのような人が試写会に応募するものなのか、私は漠然としか知りませんが、いくらなんでも酷かったなぁと。“映画はやっぱり劇場で!”という、「ぴあシネマリザーブシート プラス+」の宣伝文句がありますが、恐らく本来の意図とは異なる意味で、今はこの宣伝文句に賛同しています。少なくとも、一般向け試写会には金輪際足を運ぶことはないでしょう。

2006年01月13日 12:12 | 悲喜劇的日常
TrackBack URL for this entry:
http://www.cinemabourg.com/mt/mt-tb.cgi/533
Trackback
Title: 「THE 有頂天ホテル」は盛り込みすぎでは
Excerpt:  「THE 有頂天ホテル」を公開初日に観てきた。三谷幸喜の脚本・監督で豪華キャストとなれば、期待するなって言う方が無理だ。大晦日の一夜に豪華ホテルで繰り広げられるドタバタ。笑いすぎて涙が出た場面も結構あった。かなりうまく作っている。でも、全体の感想は「...
From: 万歳!映画パラダイス〜京都ほろ酔い日記
Date: 2006.01.21
Comments

>puffさま

あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます。

いやぁ、例のアレがどれほど役立っているか、それにつきましては本当に感謝の言葉もありません。まぁ私の場合、そもそも大劇場というのが苦手なんですよね…仰るとおり、私も席のこだわりは人一倍強いので。

ちなみに、新しく出来たユーロスペース、段差が急になって、なかなか悪くなかったですよ。もうちょっと前席とのスペースがあればなお良かったですが。

ともあれ、こちらこそ今年もよろしくお願いします。


Posted by: [M] : 2006年01月16日 11:51

[M]さーーん
帰省していたので、映画も年末年始はさっぱり観れず
激しく出遅れてしまったワタクシですが、、
新年明けましておめでとうございます!
今年もサクサクよろしくお願い致します。

でで、試写会ですが、ワタシは今まで一度も行ったことが無いのですよー
その昔、映画通の友人がやはり[M]さんと同じような事を言ってまして
試写会は行くものでは無いという信条が根付きました。
ワタシも出来るだけ劇場で観たい人なので・・・
席の位置にもこだわりがあるし。笑
例のアレがあると、さらに劇場通いしちゃいますよね。ウフ


Posted by: Puff : 2006年01月14日 21:03
Post a comment









Remember personal info?