2005年12月19日

ザケンナ! このバカブラウザが!!

(最後まで読んでいただければ、このタイトルの意味がわかります)

いくら酒を飲むことが公然と容認され得る時期だとはいえ、こんな風に連日連夜酒ばかり浴びていることに対し全く反省が無いわけではなく、それは日ごとにその悲鳴を大きくしている私の胃や腸の状態と相まって、朝起きた時の私の暗鬱たる気分に拍車をかけずにはおきませんが、そんな時、あるテレヴィ番組で、「お酒を飲み続けることが私にとって一番のダイエットなの!」と声高に宣言する室井 佑月の出鱈目極まる主張を観てしまうと、そのあまりに“誤ったポジティヴさ”に妙な連帯感を抱かずにはいられない自分を発見したりして、よって、事態は悉く悪い方向へと疾走しているかのような、今もってそんな錯覚が拭えない月曜日の午後です。

だけれども、そんな状況でも映画だけは観られているのが幸福と言えば幸福なのですが、先週末に観た2本の映画は、共に素晴らしい作品だったとはいえ、どちらも私を気をかなり滅入らせる作品だったと言わねばなりません。兪賢穆(ユ・ヒョンモク)とダルデンヌ兄弟、このコンビネーションにより、週末の私はいい意味でノックアウトされたのです。

土曜日、朋友・こヴィ氏と約束して出かけるはずだったフィルムセンターですが、日頃の多忙さと朝方眠るという習慣が仇となり当日は私との約束に間に合わず、それだけなら私が先に劇場に入り、席を確保しておけば済む話なのですが、フィルムセンターというところはたった3分の遅刻すら許さない厳密さがその特徴なのか、結局、兪賢穆の『誤発弾』を観られたのは私だけで、こヴィ氏は折角フィルムセンターにまで来たにもかかわらず、3分差で劇場に入れないという、何とも残念な結果に。会場は満員に程近いとはいえ、いくらか空席もありましたので、私も隣の席を空けておいたのですが、結局そこには誰も座ることがありませんでした。上映後、何とか時間を潰していた氏とフィルムセンター一階で落ち合ったのですが、『誤発弾』がなかなか凄い映画だっただけに私としては何ともいたたまれませんでした。
その後、喫茶店に場所を移した我々ですが、こヴィ氏はいつものようにいろいろなものを私に見せてくれ、毎度頭が下がる思いでした。『世界』のパンフを観ながらのジャ・ジャンクーの恐るべき才能に関する話に始まり、前回持参してくれた「1712 North Crescent Heights : Dennis Hopper Photographs 1962-1968」という写真集に次いで、今回も“ヴェンダースとアメリカ”つながりである写真集(すみません、名前を調べましたがわかりませんでした…)を見ながら、その写真集に出てくる、いかにもヴェンダース映画に出てきそうな人物を指摘しあったりしました。最近、こヴィ氏はヴェンダース再考の時期にいるらしく、私もつい先日までそんな状態におりましたので、もちろん『ランド・オブ・プレンティ』の話が出ないわけもなく、2人しして『アメリカ,家族のいる風景』への期待を膨らませもしました。
今回は、デニス・ホッパーのインタビューが掲載されている「VOGUE NIPPON」の切り抜きコピーや、氏が大好きなロメールの『夏物語』『恋の秋』のヴィデオも貸してくれたりして、この場で改めて御礼申し上げます。こヴィさん、いつもいつもありがとうございます。25日、もし会えたらまたフィルムセンターで会いましょう。

さて、『誤発弾』ですが、印象としては確かにネオレアリズモを思わせもします。戦後の貧困やそれが齎す家族の崩壊が、時に仰々しい音楽と共に描かれる本作には、しかし、リアリズムという観点とは別の、極めてショッキングな描写が何シーンか存在していて、それは果たして韓国という国家の色なのか、作家自身の感性が生み出したものなのか、あるいはその両方かもしれませんが、60年代の韓国映画を初めて観たので今は何とも言えません。


・・・・・・・・・・・・・・


・・・この先いろいろ書きましたが、全て消えました
もう何も書く気が起きません。この怒りは何に向ければ?

結論:『誤発弾』も『ある子供』も必見です。

・・・なんだそれ?

2005年12月19日 17:30 | 悲喜劇的日常
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Comments

>ヴィ殿

これだ!
http://www.artphoto-site.com/b_229.html

うっかり消去してしまいましたよ…結構な長文だったのに…先日の貴兄の気持ち、痛いほど察せられます。
まぁ貴兄の朝方習慣は、それ自体が一つの特権というか利点でもあるかもしれないので。恐るべき読書数などは、それが生み出すものなのでしょうからね。
教訓としては、NFCには遅刻するな、でしょうね(笑

>shimaさま

ご無沙汰です。
そう、まさに私の理想もそんな爺さんです。韓流フィルムフェスティヴァルにいた、あの頬を紅潮させながら話すご婦人方のように、私も我を忘れて映画について語る老人になれれば本望です!


Posted by: [M] : 2005年12月20日 00:35

私が以前隣り合わせた「映画について熱く語り合う爺さん二人組み」を思い出したわ。
Mさんのお相手はヴィくんでしたか!末永く仲良しで♪(笑)


Posted by: shima : 2005年12月19日 21:54

すみません。↓のリンクうまく貼られなかったみたいです。


Posted by: こヴィ : 2005年12月19日 18:52

執筆中に誤爆ではなく暴発してしまったんですね……。写真集、ウィノグランドについてはここ見ると分かりやすいです(→http://www.artphoto-site.com/story56.html)。画面左に表紙のってるので下4つは持ってます。ドト−ルで話したのは「1964」です(もう絶版らしい)。ロードムービーファン垂涎の大大大傑作!! これ今度見せまっせ〜。 &来年の目標は早く寝る(笑)。


Posted by: こヴィ : 2005年12月19日 18:50
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