2005年07月21日
『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』、ニルス・ミュラーの才能に賭けてみたい
原題:THE ASSASSINATION OF RICHARD NIXON
上映時間:107分
監督:ニルス・ミュラー
もちろん、本作の主演がショーン・ペンであるという事実は、予めある種の先入観を植え付けずには置きません。さらに、悪くなかった『21グラム』でも組んだ、いまや引っ張りだこのナオミ・ワッツが共演とくれば、一定の水準以上の出来だろうと予想するのも当然なのかもしれません。
しかし裏を返せば、この曖昧に設定した水準こそが、“期待”を阻むこともあります。だからこそ、予告編の段階で製作総指揮に名を連ねるアレクサンダー・ペインという名前に反応してしまったのです。
予告編で印象的だった、ショーン・ペンのストップモーション。それは、今まさに飛行機に乗り込もうとしている重要なシーンで、これが本編でも全くそのまま使われていました。しかし、もう見飽きたといったもいいくらい予告編で観ていたシーンにもかかわらず、衝動的に銃を撃っていくショーン・ペンはやはり何かが憑いているかのような迫力がありました。そして、そこからラストまで一気に駆け抜けていく堂々たる演出。
その無駄の無さに、監督の力量を確信した次第です。
今はニルス・ミュラーという名前を確実に記憶し、次の公開作を待つとしましょう。
2005年07月21日 12:59 | 邦題:ら行
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