2005年07月19日

“青”により精神と肉体を弛緩させた週末

07160002.jpg気が付けは約一週間ぶりの更新になってしまいました。関東でも梅雨が明けましたが、皆様、サマーライフを満喫していますでしょうか。

映画に関してはこの連休中、珍しく新作の鑑賞を見合わせ、旧作を3本ほどdvdで鑑賞するに留まりました。本来なら昨日は、ジャ・ジャンクーの新作『世界』を鑑賞する予定でしたが、自らの怠惰により断念。それでもやはり何とか観たい気持ちはあるので、今週金曜日に仕事を休んで観にいこうかと画策しています。

このように連休中の予定が狂いに狂ってしまったのも、ひとえに、16日の土曜日にいち早く夏の“青さ”を体験してしまったからで、以降、心地よい(?)肌の痛みと熱さが、映画のように“文化的行動”へと傾く私の精神を、ひたすら太陽の下での“野生的行動”へと駆り立てずには置かなかったと、抽象的に言えばまぁそういうことです。

土曜日の早朝、未だ正式に梅雨明けもしておらず、東京はまだ曇り空でしたが、一か八かという賭けに出て江ノ島へと飛び出した結果、到着した頃には快晴。ビーチはもう結構な人で賑わっていてこちらのテンションも急上昇し、それと同時に私の体も徐々にその色を変化させ、午後4時を回るころにはほとんど痛々しいくらい赤黒く染まっていました。海に行った時の楽しみとして、もちろん、太陽の下で飲むビールやらワインやらもあるのですが、程よく火照った体を冷たいシャワーでクールダウンした後、クーラーの効いた部屋(店)で飲む酒が一際“癒し”の効力を発揮するもので、海を後にした私以下友人2名は、地元で獲れた上手い魚を食わせそうな居酒屋を見つけ、駄目押しのようにビールを流し込むことに。結局朝10時過ぎから夕方の6時ごろまで飲みっぱなし、解散後も私は別の約束があったので、夜11時まで三宿のビストロでワイン三昧という、これぞ“夏!”かどうかわかりませんが、個人的にこれ以上の満足もそうはあるまいと思われた、そんな一日でした。

明けた日曜日も観るべき映画があるにはあったのですが、どうにも体が映画モードになりきれず、個人的にはこの夏どうしても手に入れておきたいネックレスを探しに代官山〜恵比寿を徘徊。しかしあまりの暑さに一歩歩くごとに体力を消耗し、結局目当てのものも見つからなかったので途中で断念。こんな時こそ自宅でdvd三昧だ!とばかりにTSUTAYAでdvdを借り、久々に料理にもちょっと力を入れて、誕生日プレゼントとしていただいたトスカーナワインとともに堪能。そんな日に観るべきdvdは前から決めていて、それは今年観た中でも出色の傑作だった『サイドウェイ』に他ならず、もうかれこれ3度目になりますが、もう素晴らしいの一言。現在書いている『アバウト・シュミット』評の参考になればという気持ちが無かったわけでもないのですが、結局そんなことは微塵も考えず、ただただ画面にクギ付けになってしまいました。

昨日は昨日で、朝からジム、そして、再度ネックレスを求めて渋谷のめぼしい店を回るも、店が無くなっていたりいい商品に出会わなかったりで、15時過ぎには逃げるように自宅に戻り、モンテ・ヘルマンの、ある意味不条理極まりない60年代西部劇『旋風の中に馬を進めろ』と『銃撃』を2本続けて鑑賞、そのあまりの弛緩した凄みにほとんど呆気にとられてしまい、その双方に出演し共同プロデュースもしたジャック・ニコルソンの嗅覚に、ひいては、ヘルマンとニコルソンの師であり、この2本の製作総指揮であるロジャー・コーマンの“力技”に感動。新作を観られなかった週末ではありますが、この2本を観られたのなら、もう何も言うことはありません。西部劇に多少なりとも興味があり、かつまだ未見の方は是非。余談ですが、私はこの2本を通して、ヴィム・ヴェンダース『さすらい』をゆくりなく思い出したと最後に付け加えておきます。

さて、今週も週末は海三昧になろうかと。
金曜日は何とか休みをとって川口まで行ってくるつもりです。あ、あと下北で開催中の大和屋竺特集上映も1本くらいは観ておきたいです。

2005年07月19日 12:37 | 悲喜劇的日常
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