2005年06月20日

『PTU』はかなり面白い

原題:PTU
上映時間:88分
監督:ジョニー・トー

本作でジョニー・トー初体験です。
そのフィルモグラフィーを見ると、頼まれればどんな作品でも作ってみせるのではないかという意味で、リチャード・フライシャー的な面白さを期待しましたが、果たして、この『PTU』はフライシャーとはまるで似ていないけれどなかなかいい感じでした。

冒頭の食堂における視線のサスペンスはこれぞ香港映画という醍醐味を味あわせてくれたり、そうかと思うと、まさか冗談だろうと思うような漫画的描写で呆気にとられたり、北野武ばりの平手打ちに不意打ちを喰らったかと思えば、ラストの銃撃戦がこれが物語のクライマックスかと疑問に思う程に出鱈目な仰々しさで満ちていたりと、短い上映時間内を何だかんだいいながら楽しんでしまったのであり、結局はジョニー・トーという監督への興味が十二分に高まるに到った、と。

今後はちょっと目が離せない存在です。あの意図的であろう“ズレ”がどのような効果を生んでいたのか、あるいはいないのか、とりあえず『ザ・ミッション/非情の掟』をはじめとした旧作を観てから判断したいと思います。

2005年06月20日 00:05 | 邦題:は行
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