2005年06月17日

『美しい夜、残酷な朝』は納得の出来である

原題:THREE... EXTREMES
上映時間:124分
監督:フルーツ・チャン/三池崇史/パク・チャヌク

映画好きであれば、誰もがこの3人のコラボレーションに絶大な期待を寄せずにはいられないでしょう。

3人の監督から成るホラーオムニバスと言えば、今から約40年前も昔に制作された『世にも怪奇な物語』というフランス/イタリア映画がありました。60年代当時のロジェ・ヴァディム、ルイ・マル、そしてフェデリコ・フェリーニと前述の3人の映画史的位置付けを、ここでは問いません。方やエドガー・アラン・ポーの原作を描き、方やラフカディオ・ハーンの原作に想を得たというこれら2本のオムニバスですが、より“怖かった”のは遠い記憶にある『世にも怪奇な物語』でした。
ただし、『美しい夜、残酷な朝』はどうもホラーという範疇に収めづらい作品なので、たまたま似た構造を持っているからと言って、比較すべきではないのかもしれません。

3作品はいずれも個性的で、個人的には満足でした。
やや理解を超える演出が印象的だったフルーツ・チャン、いつに無く静謐さを押し出した三池崇史、相変わらず復讐の二文字が作中に漂うパク・チャヌク。1本を選べと言われればやはりパク・チャヌクですが、それも好みの問題でしょう。それぞれが堂に入った、危なげない中篇だったと思います。

2005年06月17日 00:05 | 邦題:あ行
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