2005年05月20日
『バッド・エデュケーション』、アルモドバルとアブノーマル
原題:LA MALA EDUCACION
上映時間:105分
監督:ペドロ・アルモドバル
デビュー当時、ペドロ・アルモドバルに“アブノーマルな作家性”を感じ取った人々が、ここ何作でそれが微妙に薄められてしまったという見解を目にしますが、それは本当でしょうか。いや、私自身、それを否定することは出来ないのですが、彼はそもそも、本当に“アブノーマル”だったのか。
かつて、澁澤龍彦が「スクリーンの夢魔」という著作の中でルイス・ブニュエルの『昼顔』に対し「やんぬるかな、ブニュエル神話くずれたり」というような感想を記していました。澁澤は『昼顔』を観て、彼の“永遠のスキャンダリスト、暴力と反抗の不屈のシネアスト”という作家性が年齢と共に衰えてしまったのではないかと言います。実はこれに対する結論も未だに出せずにいる私ですが、特にアブノーマルではない『バッド・エデュケーション』を観て思うのは、澁澤がブニュエルに対して抱いた思いの正当性を、今こそ検証してみなければならないということです。
アルモドバルは、本作で自分の歴史を描いたと言われています。そこには重要なヒントが隠されていると思うのですが、やはり、彼の初期作品を観直した上で、再度考えてみなければならないと思います。それでも今、本作に関して一つだけ言うとすれば、アルモドバルの美的センスは好みであるということだけです。
アルモドバルは本当にアブノーマルだったのでしょうか?
2005年05月20日 00:05 | 邦題:は行
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