2005年05月09日

『フライト・オブ・フェニックス』、アルドリッチは偉大だと再確認する

原題:FLIGHT OF THE PHOENIX
上映時間:115分
監督:ジョン・ムーア

リメイクである『フライト・オブ・フェニックス』とオリジナルの『飛べ! フェニックス』の間には、いくつかの変更点があります。いや、物語の骨子以外はほとんど別物のような気さえします。
そこには現代のハリウッドが要請せざるを得ない、いくつかの力学が働いているのでしょうし、だからこそリメイクはやはり難しいと改めて考えざるを得ないのですが、それでもこのほとんど話題にもならないハリウッド映画を積極的に貶める気にはなれなません。

残念なのはキャストの人選で、アーネスト・ボーグナイン的な人物を登場させず無意味に女性を配置してみたり、ジョヴァンニ・リビシは検討していたと思いますが、全体的に年齢を若返えらせたのは失敗だったのではないでしょうか。何故なら、アルドリッチ的な遊戯性は、中年の幼児退行的行動の内にこそ発揮されるような気がするからです。

上映時間が短縮されたのが唯一の救いだったというのが何とも寂しい限りですが、新ためてアルドリッチの偉大さを確認できたという意味でも、やはり観る価値はあると思います。

2005年05月09日 00:55 | 邦題:は行
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