2005年05月08日
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』を強く支持したい
原題:新警察故事
上映時間:124分
監督:ベニー・チャン
ジャッキー・チェン作品を自らの映画的ルーツに持つ私にしたところで、もはや50歳を超えた彼に『ポリスストーリー』を超えるアクションを求めてしまうことは自粛すべきなのかもしれません。人間は衰える、この当たり前の事実は、世界のアクションスターに対しても容赦なく襲い掛かるのです。
思えば『レッド・ブロンクス』あたりから、それは顕在化しつつあったと見るべきでしょう。しかし、だからと言ってジャッキー・チェンを決して見放そうとはしなかったのは、何故一体どうしてなのか。かつて映画に目覚めさせてくれたことに対する、一種の情のようなものでしょうか。
いや、そうではないと、ここでは断言します。
この問題は、私の人生にも直結した、極めて重要な問いかけでもあるのです。自分は映画に対し、いったいどの程度の寛容さを持ちえているだろうか、と……。
本作でジェッキー・チェンは、アクションよりもドラマに重点を置いています。あれほど悲壮感漂う彼を、私は『ファースト・ミッション』以来観ていません。しかし涙なしには観られなかったあの『ファースト・ミッション』と決定的に異なるのは、もはや体があそこまで動かないという、ジャッキー・チェンの深い諦念ではないか。事実、『香港国際警察』には、ジャッキー・チェンのある決意が感じられました。そしてその決意こそが、彼の深い映画への愛に等しいのです。
『インファナル・アフェア』をイタダいたかのようなクライマックスシーンを観て軽いショックを隠せなかったとはいえ、本作を支持したい気持ちに駆られるのは、映画人としてのジャッキーチェンの決意を感じ取ったものの義務だと思います。そして今後も私は、ジャッキー・チェン主演の“香港映画”(ここが大事です)に対し、ある種の寛容さを抱き続けるつもりです。
2005年05月08日 00:55 | 邦題:な行, 邦題:は行