2005年04月25日
スパニッシュ・キャッスル・マジック
先週末は恐らく生まれてはじめてとなるスペイン映画のハシゴという、何とも濃厚な映画体験をいたしました。
1本目は新宿武蔵野館にて『海を飛ぶ夢』。同日が初日だった『甘い人生』は2館割いての上映で、『海を飛ぶ夢』を見に来た客は、劇場の端に追いやられた感も。『甘い人生』のほうはとにかく女性客の熱狂が凄まじく、すでに3回先の回まで満席だったようです。先日参加した「韓流シネマフェスティヴァル」をさらに上回るかのような加熱ぶりを何とか写真におさめようとしたのですが、シャッター音が鳴った瞬間に、彼女たちの視線がこちらに突き刺さるのを危惧し断念。まぁそれでもオスカーを獲った『海を飛ぶ夢』のほうも満席で、こちらもかなり年齢層が高かったと思います。
ほとんど事前情報を仕入れなかった私は、とにかくハビエル・バルデムのメイクに驚きました。老けメイクとしては、ここ数年で出色の完成度です。内容につきましては現在思案中ですが、何シーンか目を見張るショットがあり、そのテーマの重さに比べ、しかるべきシーンにおけるショットの強度が勝っていたという点において、評価できる作品だったと思います。
鑑賞後、次の『バッド・エデュケーション』の整理券を求め、テアトル・タイムズスクエアへ。新宿タカシマヤなど映画以外ではまず訪れることの無い場所なので、2時間と言う時間をどのように潰せば良いか検討もつかず、結局劇場近くのイタリアンでビールやらワインやらを飲みながらパソコンをいじるほかなく、その居心地の悪さは、私の“新宿嫌い”に拍車をかけることに。アルモドバル級の監督でなければ、今後も極力避けたい劇場です。
で、作品の方はというと、もはや安心して観られる監督であるアルモドバルなので、安心して観ているうちに気づいたら終了してしまった程。だからと言って何も覚えていないとかそういうわけではありません。タイトルバックのデザインなどはかなり好みで流石というべきポップセンスを感じましたし、2人の俳優はともに美しく演出も申し分なかったと言えるでしょう。まだ監督のインタビュー等を目にしていないのでわかりませんが、本策がどの程度自伝的だったのかがやや気になります。
今週末に『インファナル・アフェアIII』を鑑賞すれば、先日書いた備忘録にあったリストを何とか制覇できます。しかし、レビューのほうが大分滞りつつありますので、そうそう喜んでもいられません。というわけで、今月は「短評」の割合が高くなること必至です。
2005年04月25日 12:55 | 悲喜劇的日常