2005年04月28日

カンヌ映画祭2005

カンヌ映画祭2005コンペティション部門他、ラインナップの発表を受けて遅ればせながら雑感をば。

審査委員長はエミール・クストリッツァです。昨年の反動で、今回はヨーロッパ作品が選ばれそうな予感も。映画祭荒らしとも言えるキム・ギドクの『弓』は「ある視点」での上映ですから、アジア勢での注目はジョニー・トーと小林政広ということになるでしょうか。
ジョニー・トーの作品は全く観たことがないのですが、先日、現在ユーロスペースにて公開中の『PTU』の予告編を観ました。またぞろ“タランティーノ大絶賛”などとうたわれておりましたが、それはともかく、ちょっと無視できない存在になってきたなと思っています。
一方の小林政広は、前作『フリック』にかなり関心したクチなので、今回上映される『バッシング』も、その題材の今日性をどの程度はぐらかし、裏切ってくれるのかが楽しみではあります。

その他日本からは、青山真治の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』が「ある視点」で、鈴木清順の『オペレッタ狸御殿』が「アウト・オブ・コンペティション」で公開されますが、上記2作品以上に驚いたのは「監督週間」に柳町光男の『カミュなんて知らない』が出品されることで、本作は今年の秋にも国内で正式公開されるとか。このニュースには興奮しました。

コンペティションのラインナップは、もう出鱈目なくらい巨匠ぞろいです。
デビッド・クローネンバーグ、ダルデンヌ兄弟、アトム・エゴヤン、アモス・ギタイ、ミヒャエル・ハネケ、ホウ・シャオシェン、ジム・ジャームッシュ、ロバート・ロドリゲス、ガス・ヴァン・サント、ラース・フォン・トリアー、そしてヴィム・ヴェンダース。あ、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナまでいます。しかしおそらく、どの作品がパルム・ドールになっても、昨年のヤギラユウヤ君みたいにマスコミが騒ぎそうなファクターはなさそうですから、まぁ安心と言えば安心です。

「アウト・オブ・コンペティション」には、あのミシェル・ピッコリ先生の顔も。前作『黒い海岸』(なんという魅惑的なタイトル!)は劇場公開されず、シネフィル・イマジカで放映されたのみでdvd等も発売していないようなので、今回出品される作品も恐らくほとんど無視されてしまうんだろうなぁと、他人事ながら多少の悔しさが募ります。

というわけで、この文章を最後まで読んだ方、マルコ・フェッレーリの『最後の晩餐』とジャン=リュック・ゴダールの『軽蔑』の2本をレンタルしに、今すぐTSUTAYAに駆けつけましょう。ミシェル・ピッコリ万歳。

2005年04月28日 12:53 | 映画雑記
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