2004年11月23日

紀伊国屋ホールにて

『変身』に関する文章が滞っております。いつでも評しがたい映画があるものですが、『変身』に関してはむしろその逆、かなり“掴みやすい”映画だとも思います。しかしながら、この舞台劇のような映画は、その細部の描写をこそ語りたいにもかかわらず、今思い出そうとしても、その細部が容易には思い出されないため、なかなか難しいな、と。ともあれ、明日の昼までには必ず。

で、映画を観なかった本日、実は久方ぶりの演劇を鑑賞。数年前、ナイロン100℃の作品(題名は忘れました)を観て以来の紀伊国屋ホールにて。ハラホロシャングリラによる「ワンダーランド」(作・演出 中野俊成)という作品です。松涛にあるBARのマスターが実はここの劇団に属していて、そのBARの半常連(?)である友人にチケットを譲っていただいたので。普段は映画ばかりで自分で演劇のチケットを取ったことなど一度も無い私ですが、この作品は予想以上に楽しめました。
漫画喫茶というファンタジーな空間を舞台に、うだつの上がらない印刷会社勤務のサラリーマンが、自らの幼年時代のトラウマを克服していくという話ですが、そこから想像される教訓劇のような物語性をはるかに超えて、この作品は紛れも無くコメディだったのです。実は冒頭15分くらいはなかなか乗れず、こんなところにまできて、映画と演劇のコメディについてその違いとやらを考えてしまいそうになりもしましたが、そんな夢想に耽る直前に再び現実に連れ戻されたのは、チャウ・シンチー的とあえて言いましょう“ギャグの反復”が、中盤から後半にかけて随所で炸裂していたからです。実際、終幕後には、もっと演劇を観にいくようにしようかなどと、本気で思った程。いくら目の前で演じられていても、見慣れてない演劇に関してはやはり詳述することが出来ませんが、このハラホロシャングリラというふざけた名前の劇団が演じる舞台にはどうやら、また足を運ぶことになるでしょう。

明日は時間があれば、ユーロスペースにて『たまもの』を鑑賞予定です。

2004年11月23日 22:59 | 悲喜劇的日常
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