2004年09月02日
la Biennale di Venezia
9月1日より、第61回ヴェネチア国際映画祭が開幕しました。21作品あるコンペティション出品作には、すでにかなりの数の前売り券が売れていると予想される『ハウルの動く城』が入っていることもあって、日本のマスコミも注目しているようです。ヴェネチアは過去にも黒澤明や北野武に金獅子賞を与えていますから、アカデミー賞を獲ったことのある宮崎駿にマスコミの注目が集まるのも無理からぬ話。しかもタック氏が声優とくれば尚更のことでしょう。コンペ以外でも、革新的な映画を集めたヴェネチア・オリゾンティ部門に、お仕事大好き監督による『IZO』(イメージ・フォーラムにて公開中)や長編デビュー作から世界的に注目された監督による『ヴィタール』が出品されます。
それにしても、浅野忠信の活躍ぶりときたら! 今回のヴェネチアにも出品されている『珈琲時光』と『ヴィタール』の2本に出演しているばかりか、昨年のヴェネチアでは、コントロコレンテ部門(主に前衛的な作品が対象となる部門)で主演男優賞ですから。“演技”というよりは、”空気”を操作しつつ映画を彩る彼のような俳優(柳楽優弥も、恐らくその系譜に位置しているかと)が現われたことで、今後は海外の主要な映画祭で日本人が俳優として何らかの賞を獲ることが増えていくのではないかと思います。私自身は俳優で映画を観るということがありませんが、俳優で映画を観る人達がいるからこそ、かなりの映画好きしかその存在に敏感ではなかったはずのペンエーグ・ラッタナルアーン監督作や、一部に確実なファンがいたとは思いますが、その手法ゆえにどうしても苦手だと公言する人がそのファンよりは絶対に多いであろう是枝裕和監督作がそれなりに受けてもいるのですから。
とりあえず予告編だけでの判断になりますが、『ヴィタール』はなかなか陰鬱とした雰囲気で悪くない感じがしました。主題歌はcoccoが歌うみたいですから、その希少性から、そちらのファンも映画館に行くのかもしれませんね。
最後にこれも予告編と、いくつかの雑誌で読んだ記事に拠るのですが、11日から上映される『父、帰る』(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督/昨年の金獅子賞)は必見でしょう。初日に駆けつけるつもりです。
2004年09月02日 12:32 | 映画雑記
Excerpt: 第61回ベネチア国際映画祭(イタリア)コンペティション部門の受賞結果が、11日夜
From: 〜ふぐ屋、風と共に去らぬ〜
Date: 2004.09.12