2004年08月13日

『13日の金曜日』に『軽蔑』を回想する意義

20040813.jpg昨日は結局仕事で疲れ果ててしまい、『ある日、突然』を観ることが出来ませんでした。新宿の雑踏だとか、味の薄い料理と同じくらい“夏”という季節が大嫌いな私ですが、その理由を改めて考えてみると、もちろんその暑さが一つ、汗の不快感が一つ、蝉の鳴き声が一つ、と挙げれば暇なく出てきます。すでに夏休みを満喫しているであろう学生たちや一部の社会人を横目に、若干混雑が緩和されたとはいえ、今こうして出勤しているという事実を鑑みれば、このような恨み言を連ねてしまいたくもなるというものです。

ただし、そんな“夏嫌い”な私でも、夏の“青”に対する羨望は人一倍あると言えるかもしれません。“青”とはズバリ“海と空”に言い換えることも可能です。私などは、この“青”から最も遠い人物だと思われている節もありますし、多少は自覚もしていますが、だからこそ反動的に“青”を求めるのだということなのでしょう。常に“暑さ”とセットになった夏の“青”ですが、しかし、それが目の前に展開されてしまうと、“青”という色そのものに陶酔してしまう単純な私は、そのときばかりは“暑さ”をも忘れてしまうのです。
映画における“青”に対しても同様で、“夏”が舞台になった映画は決して嫌いではなく、むしろ好きだと言える位ですから、例えば明日から公開する『ステップ・イントゥ・リキッド』はサーフィンとは無縁の人生を送ってきた私も積極的に観に行きたいと思いますし、もちろん『ブルークラッシュ』のような映画にだって“青”という観点から見ればそれなりに美点もあることを知っています。恐らく、今に至る“青”に対する執着というか羨望は、『気狂いピエロ』と『軽蔑』に端を発していると思われ、あまりに月並みで凡庸ではありますが、実際に”あの青”を目撃してしまうと、どれほど月並みで凡庸と言われようがもうどうでもよくなってしまう、それほど衝撃的な“青”だったのです。上記2作をまだ未見の方は、是非ともこの時期に見られることをお薦めします。

さて、そんなことばかり考えているならいっそ行ってしまおう、というわけで、明日は2年ぶりに“青”を求めて千葉方面に。週末の習慣である映画とジムを追いやってまで行くのですから、一日中“青”に同化してきたいと思います。日に焼けて真っ黒になるか、酔っ払って真っ青になるかは当日次第ということで。いくら“青”が好きでも、後者は避けたいと思います。

2004年08月13日 09:05 | 映画雑記
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