2004年06月27日
現在のアクション〜『マッハ!!!!!!!!』とジャッキー・チェン
7/24から劇場公開される『マッハ!!!!!!!!』という映画に注目しています。90年代以降、日本でも少しずつ紹介されてきたタイ映画ですが、実はほとんど見ていません。それなりにヒットした『アタックナンバーハーフ』ですら見逃しているくらいです。唯一、オキサイド・パン、ダニー・パン兄弟の『レイン』をヴィデオで鑑賞したくらいで、だいたい監督の名前がなかなか頭に入らないのがその原因と言いますか、いや、そんなこといったら悪いですね。最近になってようやくペンエーグ・ラッタナルアーンという監督の名前を覚えましたが、覚えただけですでに満足している私に、タイ映画について文章を書く資格などそもそもないのです。
がしかし、冒頭に挙げた『マッハ!!!!!!!!』に対してはただならぬ期待を寄せていて、それは偏に、この映画がアクション映画だからなのですが、その題名から感じられる気合いは並大抵ではなく、エクスクラメーションが8つも並んだタイトルは私の知るかぎり映画史上初めてではないかと思われます。もちろん、ただアクション映画だと言う理由だけで期待してしまうほど、世の中には面白いアクション映画ばかりがあるわけではないのですが、『マッハ!!!!!!!!』には、どことなく『少林サッカー』における“生真面目な馬鹿馬鹿しさ”に通ずる魅力が備わっているようで、こちらの期待をいやが上にも高めるのです。第一、予告編に見られる数々の“公約”からしてすでにハリウッド製“香港”アクションに対する挑戦であり、同時にブルース・リーへの郷愁とも感じられてしまうのですが、この映画には、何よりB級のノリを隠そうともしていない潔さが感じられ、B級具合をCGで塗り固め、結果失敗した『マトリックス』三部作などよりよっぽど誠実な映画だと、観てもいないのに言ってしまいたくなるくらいです。
もう随分と遠い昔になりますが、『プロジェクトA』という映画の中でジャッキー・チェンが高い時計台からノースタントで落ちて見せたときのことを思うと、昨今見られるようなのような技術を使えば、何もあんな風に体を痛めつけることもなかったろうにといたたまれなくもなりますが、やはりノースタントが売りだったジャッキー・チェンも、新作『メダリオン』に至ってはワイヤーを使っていることを考えると、あのジャッキー・チェンですらワイヤーを使わねばならないのかと、いささか残念な気持ちになったりします。まぁ、こんなことは本当に大きなお世話で、“ノースタント・ノーCG”が美徳だと思ってしまうことはほとんど反動的だと言ってもいいくらいですが、例えば『SPY_N』のような映画を観てしまうと、いくらスタンリー・トン監督だとはいえあまりに悲惨なこの映画を支持することは出来ないわけで、某有名女優のプロモーションヴィデオとまでは言いませんが、香港のお家芸ともいえるワイヤーアクションの無駄使いだと言いたくもなり、ワイヤーアクション自体に疑問を抱きたくもなるのですが、少なくとも『マッハ!!!!!!!!』には、予めそのような不安材料が無いわけですから、出来れば初日にでも駆けつけて、その“公約”とやらを確認したいと思います。
2004年06月27日 11:13 | 映画雑記