2004年06月08日

映画とは何か

映画とは何かこのサイト を見る人の中で、自ら“映画好き”だと自称する人はどのくらいいるのかわかりませんが、敢えて“映画好き”の人に問いかけたいと思います。
映画は芸術でしょうか? それとも、娯楽でしょうか? 私はこの問題が、人間同士のコミュニケーションを考える上で、それなりの重要性を持っていると 思うのですが、ここには大まかな分類として4つの回答が考えられるでしょう。

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1.映画は芸術である
2.映画は芸靴でもあり娯楽でもある
3.映画は娯楽である
4.映画は芸術でも娯楽でもない何物かである
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予めその答えを上記の様に分類してしまいましたが、この問いについて 、果たしてどれくらいの人々が意識的でしょうか。これは私の経験に留まりますが 、人が何らかの事物を考えたりするとき、まず考えるべき事物がおかれている状況を(ほとんど無意識的かもしれませんが)思い浮かべるのが常です。それは、分別 のある人間にとって(ここは強調すべきところです)、自分の考えなり思想を、容易に絶対視することが困難だからです。もしこんなことを聞かれたら、どこかで読 んだり見たり聞いたりした誰かの発言を、やはり無意識的に思い起こして、何らかの答えを出すのだと思います。それを承知で、改めて、人間にとって映画とはどの 様に位置すべきでしょう?

思えば、こんな大それた問いは、改めて私自身が問いかける必要性など無いですし、端的に言って、「お前に何がわかる」と言われるべきことだとは先刻承知し ています。多分、私自身もそう言い放ってしまうでしょう。例えば、そこに何らかの正論(めいたもの)ががまかり通ったところで、「だから何だ、ボケ!」と言わ れてしまえばそれまでです。なぜなら、“映画とは何か”などと考えずとも、人は、日常的に映画を観て、映画について思いをめぐらせ、そして、映画について語るこ とができるからです。

もちろん、私がここで何らかの答えを出そうなどと考えているわけでは ありません。所謂“振り逃げ”というやつです。ただ、ある種の映画を見たとき、 その 答えがフッと浮かんでしまうことも無いとは言えない。その時人は、“映画とは何か”という問いかけに、絶対的な自信をもって答えることが出来るのかどうか。 私見 では、その時に初めて本当の“映画好き”になれるのかもしれないと、密かに思い込んでいます。そんなことを考えながら、これから『KILLBILL』についてのテクス ト をいかなる方向性で書こうかと考えるのですが、だからといってそこには納得できる答えなどなくて、そこだけポッカリと穴が開いているかもしれません。

2004年06月08日 11:04 | 映画雑記
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