2004年06月11日

レトロスペクティヴ of サム・ペキンパー

e/m ブック ス vol10 サム・ペキンパー映画に関する本を読む、そのほとんどがスポーツジムで運動をしながら、というのがごく当たり前の日常と化しています。運動しながらテレヴィを見たり、雑誌を読んだりすることも稀にありますが、基本的には書籍を読むようにしているのには理由がありまして、それは、疲れというか苦しさを忘れることが出来るからです。実際、読んでいる本にのめりこんでいくと、時間が経つのを忘れてしまい、ふと時計を見ると、すでに1時間が経過していることなどざらです。逆に言えば、面白くない本をセレク トしたときなど、今おかれている苦しさが5倍くらいになって跳ね返ってくる錯覚を覚え、1分が5分になるのです。数年前は、運動しているときの暇つぶし程度にしか 考えていなかったのが、今となっては、「今日は読む本がないからジムに行くのはやめよう」などと、全く本末転倒というか、手段の目的化現象と言うか、我ながら 何のためにジムに行っているのか分からなくなってきます。いや、多分本を読むために行っているのでしょう。おおっぴらに認めたくはありませんが。
さて、今読んでいる映画の本の話題に移りますと、それは「e/m ブック ス vol10 サム・ペキンパー」(定価\2,100 Esquire Magazine Japan刊)というもので、このシリーズは過去にも数冊読んだことがあるのですが、詳細なフィルモグラフィーやインタビューなどを確認するには、それなりに重宝しています。何故今サム・ペキンパーか、という問いに対しては、「わかりません」というほかありませんが、折角だから現在観る事が可能な彼の監督作品を、全て見直そうかと思っています。極私的レトロスペクティヴ of ペキンパーといったところです。

つい先日、40代の(恐らく映画好きな)男性と話す機会がありまして、たまたまそのとき手にしていた前述の本を見るなり、“にやり”と笑い興味深げだ ったので、軽い気持ちで「ペキンパーの映画を見たことがありますか?」などと問い かけたら、その男性は待ってましたと言わんばかりに食いついてきて、「『ワイル ドバンチ』はLD持ってるよ〜」とやや得意げに言われてしまい、「しまった!」と思ったときには時すでに遅く、『ダンディー少佐』や『戦争のはらわた』などの 名前が次から次に出てきて、終いにはリアルタイムで観た『ゲッタウェイ』についての、時代考証をも視野に入れたノスタルジックな話にまで発展してしまい、こち らはリアルタイムで観たペキンパー作品などないので、苦々しく嫉妬を込めてその話を聞くほかはありませんでした。それにしても、その男性は映画が好きな人でしょうからさておくとしても、当時(1960年代〜70年代)いったいどれほどの“普通の人”がペキンパー作品を見に行ったのでしょう。今となっては知るよしもありませんが、少なくとも現在私の周りにいる友人たちを思い浮かべてみても、堂々と「ペキンパーが好きだ」といえる人間は3人といないのもまた事実です。あくまで友人の少ない私の周りに関しての話ですが…

今回のレトロスペクティヴを終えたら、偉大なるペキンパーの凄さを、 今まで以上に吹聴してまわろうかと考えています。

2004年06月11日 11:06 | 映画雑記
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