2005年09月09日

『チーム★アメリカ ワールドポリス』は反道徳的なファンタジーである

原題:TEAM AMERICA: WORLD POLICE
上映時間:98分
監督:トレイ・パーカー

政治を笑いに転化させること。世界には風刺画という古くからの文化があるくらいなので、そのこと自体は実はそれほどスキャンダラスではありません。映画においても、最近ではマイケル・ムーアがそのことを嫌と言うほど思い知らせてくれたのだし、『華氏911』が世界にあれほど受け入れられたのも、政治が笑いの対象として相応しいことを誰もが体験として知っているからでしょう。

さて、本作は様々な固有名詞に溢れていて、仄めかしなど無いに等しい。この“ドキュメンタリー性”故に、それは確かに笑える。さらに、それを演じているのが全て人形であるということが、予め笑うことを強いてもいるでしょう。この人形の存在というのがことのほか大きく、エロ・グロ・ナンセンスのみで成り立っている本作は、その度を越した反道徳性の割りに、一種のファンタジーとして映ってしまうのかもしれません。

カメラの動きや位置は、人間を撮る場合とほとんど変わらず、それが人形だということを忘れさせる、とまでは言いませんが、アメリカ映画的なリアリティに貢献していたと思います。つまり、悪く言えば全編を通して図式的ですが、そんなことは百も承知だとばかりに、全てを暴いていくあの印象的な挿入歌の数々には素直に感動しました。

2005年09月09日 12:27 | 邦題:た行
TrackBack URL for this entry:
http://www.cinemabourg.com/mt/mt-tb.cgi/631
Trackback
Comments
Post a comment









Remember personal info?