2005年05月10日

『コンスタンティン』がつまらない映画でも驚きはしないということ

原題:CONSTANTINE
上映時間:121分
監督:フランシス・ローレンス

まず、『コンスタンティン』には何があるのか、という問いを自らに向けてみます。

そこにあるのは、まず“無邪気さ”です。そしてそれは、あらゆる新人監督が持っているであろう“野心”とは別種の、“臆面の無さ”と言い換えることが可能かと思います。

時にそれは奇跡的にプラスに作用しもするでしょう。ゴダールやベルトルッチなどをここで例に出すまでもありませんが、最近で言えばヴィンセント・ギャロの『BUFFALO'66』など、彼の不遜ぶりが妙に小気味良く感動的だったことが思い出されます。

さて、翻って『コンスタンティン』はどうなのか。
結論から言うと、『コンスタンティン』は全体を通してみれば、かなり壊滅的な出来だと思います。もちろん、そんなことはいささかも珍しいことではないし、驚くには値しません。ましてや、憤ることも。むしろ、安心してしまいそうになる自分がいたりするほどです。そう簡単に奇跡が起こるはずもないのですから。

ただし一点だけ、レイチェル・ワイズの体を張った演出は大いに評価したいと思います。彼女は本作で、美貌に加わる“何か”を獲得したように思えるのです。当然、『ハムナプトラ』シリーズの彼女にはなかった“何か”です。それを確認したいがために本作を再見することは、しかし、かなりの苦痛を伴うと思われます。

2005年05月10日 00:55 | 邦題:か行
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