2004年10月31日

東京国際映画祭リポート

東京国際映画祭2004というわけで、雨の中初参加してきたわけですが、いろいろな意味で先日参加した東京ファンタスティック映画祭との差を実感した次第です。アジア最大の映画祭と言うだけあって様々な意味で“官僚的”な感じがしましたね。

1本目はチャウ・シンチー監督『カンフーハッスル』。これを選んだのは、端的に言って、公開までとても待ちきれなかったからという理由によります。16:45開場ということでしたので、30分くらい前にbunkamuraに到着しました。オーチャードホールの前には、すでに数十人の列が出来ていたのですが、それよりもプレス関係者が正面入り口前に殺到していた様子。無論、チャウ・シンチーの到着を待っていたのです。予定より遅れて到着したチャウ・シンチー、多くのフラッシュと女性陣の歓声に、ゆっくりと数回肯いていました。私も背伸びしながら彼の姿を遠目に確認できたわけですが、ふと隣に目をやると、高校生くらいの派手なファッションの女性が、ピンク色の花を1本だけ持って、所在無げな目で遠くを見つめていました。恐らく彼女は、チャウ・シンチーが目の前を通った時のためにその花を買ってきたのでしょう。しかし、彼女の思いとは裏腹に現実は残酷なもの。写真撮影すら儘ならず(兎に角警備が厳重でした)、ほんの1~2分後には、チャウ・シンチーも舞台挨拶のため劇場内に入ってしまったのです。残された彼女の、あの悲しそうな目を見て、なんだか可愛そうになりました。チケットを再度確認する彼女の手には、同日夜の回(こちらはヒルズのほう)のチケットも。ヒルズで花を渡せたのかどうか、もはや知る由もありませんが。

いざ開場ということで場内に入ろうとすると、厳重な手荷物チェックが。香港は海賊版が横行しているようで、それを危惧した主催者側の配慮ということでしょう。映画を観るのに金属探知機を当てられたのは生まれて初めてでした。
さて、初めて入ったオーチャード・ホールは、とても映画を観る環境ではありませんでしたね。私は3Fの最前列でしたが、あそこまでスクリーンを見下ろしたのは初めてです。目の前にはスクリーンをさえぎる鉄製の柵があって邪魔なことこの上なし。まぁそもそも映画館ではないのですからしかたありません。

舞台挨拶に特筆すべきこともありませんでしたが、チャウ・シンチー自身が、厳重なセキュリティチェックをしなければならなかったことを何回か詫びていました。監視下での映画鑑賞、これも始めての経験だったかと。

『カンフーハッスル』上映後は一端帰宅して、深夜の上映に備えました。と言っても、ただ酒を飲んでいただけですが。次の『ターネーション』は会場がヒルズでしたが、あいにくの雨模様だったために自転車での移動は断念。地下鉄を乗りついで六本木へと向かいました。到着したのは23:20ごろでしょうか。TOHO CINEMA自体には結構な人だかりが出来ていました。私が観た5番スクリーン前にも、『ターネーション』を待っている人が数人ほど。階下では、どこぞの映画監督と思しき人間がサイン攻めにあっていたりも。誰だったかは、まったくわかりませんでした。

ジョナサン・カウエット監督のデビュー作『ターネーション』には、監督自身の舞台挨拶がありませんでした。なんでも家庭の事情だとか。こういう理由もあまり聞きなれないのですが、映画を観て納得。その代わりに、監督とメールでやり取りした映画ライターの方(名前は忘れました)のトークが数分間ありました。気付けば予想に反して開場は結構埋まっていて驚かされたりも。ちなみに、『ターネーション』を選んだのは、サンダンスで話題になっていたこともありますが、それがどうやらドキュメンタリーだったから。およそTIFFには似つかわしくないその孤独な存在感に惹かれたのです。

上映後は電車も無いので、タクシーにて帰宅。blogを更新しようかとも思いましたが、あまりに疲れ果てていたので即寝。朝から渋谷と自宅を3往復もしたことに加え、『ターネーション』の内容にもかなりヤラレたことが原因だったのだと思います。

各作品については、また後で。初のTIFFは、非常に疲れました…
その疲れは未だに尾を引いていまして、折角天気は回復したのにとても映画に行く気にはなれないので、『春夏秋冬そして春』は来週に持ち越し。2日連続でヒルズに行くのもいやなので、『SAW』も来週になりそうです。

2004年10月31日 15:05 | 映画雑記
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Comments

>Hちゃん

乙津。逃避もまた必要でしょう。帰り道は忘れないようにね(笑)。

予告編って、サッカーボールを踏み潰すやつかな? あれは予告用の映像だと思ってたら、本編にもちゃんとありました。
これから作品評を書きますが、多分激しくネタバレすると思うので、読まないほうがいいかも。



Posted by: [M] : 2004年10月31日 19:31

こんばんわ〜。
カンフーハッスルの予告編をネットで見たんですが
やばそうですね。
少林サッカーでかなり笑わせてもらったので
かなり期待大。
来年が待ちきれませ〜ん。

と、現実逃避で書き込んでみました。


Posted by: H : 2004年10月31日 19:25
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