2011年12月31日

2011年ベスト

大晦日です。
また一年ぶりの更新になります。

今年は東日本大震災があったという意味で歴史的な年でしたが、それは映画生活にも暗い影を落としました。もはや映画など観ている場合ではないのかもしれない、そんなことを思ったのは、後にも先にもない経験でした。その流れで、“映画を観る”ということについて、さまざまに思いをめぐらせたりも…。

ただ、震災後の疲れきった精神状態を癒したのもまた、映画でした。敬愛する監督たちの、あの強靭なな画面にどれほど勇気づけられたことか。今年ほど自宅での映画鑑賞が多かった年もまた無かったかもしれません。

劇場での鑑賞本数は非常に少ないものでしたが、その分、かなり厳しく選んで観たため、今年はワーストの選出には至りませんでした。たとえば『アンチクライスト』や『スコット・ピルグリム』ですらも、積極的に嫌う程の映画ではなかったように思えるのです。

というわけで、今年はベストのみを。
いつものように、新旧問わず劇場で鑑賞した作品の中から順不同で。

■2011年ベスト10

ソーシャル・ネットワーク(デビッド・フィンチャー)   
トスカーナの贋作(アッバス・キアロスタミ)
ヒア アフター(クリント・イーストウッド)
SOMEWHERE(ソフィア・コッポラ)
ふたりのヌーヴェルヴァーグ(エマニュエル・ローラン)
ナッシュビル(ロバート・アルトマン)
エッセンシャル・キリング(イエジー・スコリモフスキ)
監督失格(平野勝之)
サウダーヂ(富田克也)
リアル・スティール(ショーン・レヴィ)

今年は10本を選ぶのがなかなか難しい年でしたが、それぞれに深い思い入れがあります。とりわけ、2本の日本映画をこの中に入れることが出来たのは、非常に喜ばしいことだと思いました。似ても似つかないこの2本は、しかし、日本映画の可能性を示しただけでなく、ある“凄み”を感じさせてくれました。
最後まで迷ったのが『ふたりのヌーヴェルヴァーグ』ですが、ゴダールとトリュフォーなくして今の私は無いという結論に至り、ここに選んだ次第です。

それでは、来年もさまざまな映画に出会えることを期待しつつ…。
皆さま、良いお年を。

2011年12月31日 15:11 | 映画雑記
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