2009年12月31日

2009年ベスト&ワースト

大晦日です。
今年は公私共にいろいろありまして映画もままならず、近年稀に見るほど低い鑑賞本数となってしまいました。たった70本で映画好きを自称できるのかどうかという懸念もあるのですが、12月あたりからバイオリズムが徐々に上向いてきたので、年男である来年こそは充実した年にするぞという決意を込めて、恒例のゲームに興じたいと思います。
いつものように、新旧問わず劇場で鑑賞した作品の中から順不同で。

■2009年ベスト10

アンダーカヴァー(ジェームズ・グレイ)
愛のむきだし(園子温)
チェンジリング(クリント・イーストウッド)
四川のうた(ジャ・ジャンクー)
レイチェルの結婚(ジョナサン・デミ)
グラントリノ(クリント・イーストウッド)
アンナと過ごした4日間(イエジー・スコリモフスキ)
母なる証明(ポン・ジュノ)
イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ)
倫敦から来た男(タル・ベーラ)


■2009年ワースト5

40歳問題(中江裕司)
感染列島(瀬々敬久)
ROOKIES-卒業-(平川雄一郎)
2012(ローランド・エメリッヒ)
サイドウェイズ(チェリン・グラック)

毎年、ベストの中に若い日本映画の監督が入るのを楽しみにしているのですが、今年はそういった作品を観る機会自体が少なく、1本も入れられなかったのが残念。例えば、ダルデンヌ兄弟の影響が色濃い『今、僕は』などは決して悪くなかったし、男と女の話になるという竹馬靖具監督の次回作が楽しみですらあるのですが、他のベスト作品に比べると、もう一つ強度に欠けると言わざるを得ませんでした。

映画を観続けて本当に良かったと思わせる作品を与えてくれた何人かの監督たちには、あらためて感謝の意を捧げたいと思います。
クリント・イーストウッドの創作意欲と確かな実力は、ほとんど恐るべき領域に達しており、世界最強という称号が真に相応しいし、ブランクをまったく感じさせないどころか、今なお映画を揺るがせる力を見せ付けたイエジー・スコリモフスキからは今後も目が離せません。中でも極めつけはクエンティン・タランティーノで、『イングロリアス・バスターズ』のイタリア語を使ったギャグは、今年観たあらゆる映画の中でもっとも素晴らしいシーンだったのではないかと思わせるに充分でした。彼の中では最高傑作だった『ジャッキー・ブラウン』が、昨年の『デス・プルーフ』続いて今年も確かに更新されました。

さて一方のワーストですが、これらは寸分の迷いもないほどにワーストであり、『ROOKIES-卒業-』を除いて、多少なりとも劇場を怒りとともに後にした作品です。
『ROOKIES-卒業-』に関しては、ちょと事情が異なります。年々涙もろくなっている私は、確かに『ROOKIES-卒業-』を観ながらほとんど滂沱の涙を流してしまったわけですが、これは映画の出来が素晴らしかったわけでは決してなく、多分に私生活上の問題がそうさせたまでのことで、映画としてみた場合、やはり『ROOKIES-卒業-』は駄作以上の何物でもなく、映画と呼ぶことすら躊躇われると言うほかないわけで、別にテレヴィ局主導の映画を全否定するわけではありませんが、ただでさえその存在が危ぶまれているテレヴィ局の文化的地位を自ら失墜させていく自虐的な様は、見ていてあまり気持ちの良いものではありません。

それでは、来年もさまざまな映画に出会えることを期待しつつ…。
皆様、良いお年を。

2009年12月31日 13:35 | 映画雑記
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