2010年01月01日

2010年ベスト&ワースト

あけましておめでとうございます。

この記事は、例年にならって大晦日に更新するつもりでしたが、1年ぶりにブログの管理画面にアクセスしようとして、そのURLが携帯電話には登録されていないことに気づき、更新できないといういつもながらの体たらくでした。

さて、twitterを始めてからというもの、運営者である私自身ですら、当ブログの存在を微塵も顧みることがなかったのですが、にもかかわらず、年末になると律儀にかような遊戯に興じているのは、どこかでまとまった文章を書きたいという欲求があるからなのかもしれません。ただ現実問題としてそれもままならず、こういう形で年に一回更新するのがせいぜいです。

映画のほうですが、今年は仕事が変わって多忙な日々を送っていたためか大した本数も観られず、もはや有給を使って平日の昼間に貴重な作品を観るなどということもほとんど不可能になってしまいました。TIFFやFILMEX等の映画祭にもほとんど参加していないので、以下のベスト&ワースト作品にも、特に面白みのない作品が並んでおりますが、そんな乾いた日常のオアシスとして、ユーロスペースが企画した「ジャック・ロジエのヴァカンス」と「エリック・ロメール追悼特集上映 アデュー ロメール」という2つの特集上映には心から救われた次第です。

ではいつものように、新旧問わず劇場で鑑賞した作品の中から順不同で。


■2010年ベスト10

オルエットの方へ(ジャック・ロジエ)
インビクタス(クリント・イーストウッド)
緑の光線(エリック・ロメール)
息もできない(ヤン・イクチュン)
川の底からこんにちは(石井裕也)
冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(ジョニー・トー)
シルビアのいる街で(ホセ・ルイス・ゲリン)
瞳の奥の秘密(ファン・ホセ・カンパネラ)
ナイト&デイ(ジェームズ・マンゴールド)
リオ40度(ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス)


■2010年ワースト7

The 4th Kind フォース・カインド(オラトゥンデ・オスンサンミ)
隣の家の少女(グレゴリー・M・ウィルソン)
タイタンの戦い(ルイ・レテリエ)
鉄男 THE BULLET MAN(塚本晋也)
踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(本広克行)
キャタピラー(若松孝二)
ビッチスラップ(リック・ジェイコブソン)


ベストの中で際立っているのは、先に書いたように、ジャック・ロジエとエリック・ロメールという2人の偉大なる巨匠で、そこで観た17本の作品全部をベストに入れるということも考えましたが、それではゲームの規則が崩壊していると考え直し、かような結果になりました。南米の映画が2本含まれているのは、単なる偶然といえば偶然ですが、いずれも新鮮な映画体験だったと、付け加えておきます。

一方のワーストですが、ここに挙げられている7本を観たことが、私にとって取るに足らない映画体験だったのかと問われれば、否と答えるでしょう。何故ならこれらの作品は、それぞれある種の問題を提起しており、そのことを考えるきっかけを与えてくれたからです。リアルとアンリアルについて、原作と映画の関係性、3Dであることの是非、セルフリメイクについて、映画と非映画の境界、作家と観客とのすれ違い、サンプリングとオマージュについて等々、今後も映画を観続けるにあたって、これらを考えることが少なからぬ示唆を与えてくれるでしょう。

それでは、今年もさまざまな映画に出会えることを期待しつつ…。

2011年元旦の自宅にて
[M]

2010年01月01日 21:56 | 映画雑記
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