2005年03月08日
『レイクサイド マーダーケース』はミステリー以上の何かである
原題:レイクサイド マーダーケース
上映時間:118分
監督:青山真治
本作は、ミステリーをミステリーとは別の(もはや既存のジャンルには収まりがたい)次元にまで“強引に”昇華させた怪作だと思います。
久方ぶりにスクリーンで観る薬師丸ひろ子の演技は素晴らしい。彼女からは、危うげな強靭さとでも表現するしかないような、凄みを感じました。とくに彼女の目が赤く光る演出など、あまりにも意表をつかれほとんど呆気にとられてしまうほど。
サスペンスは湖畔において生み出されますが、それよりも個人的には、ラストにおける森における集団の異様なテンションに関して、私は説明すべき言葉を持ちません。それは、常に冷静沈着だった柄本明が急に怒鳴りだす場面の、ほとんど何を言っているのかわからないくらいの昂奮ぶりと重なります。
青山真治の思考は、ジャンル映画においてでさえ、一筋縄では捉えきれません。であるがゆえに、本作は新しく、そして感動的なのです。
2005年03月08日 12:10 | 邦題:ら行
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